投資歴1年未満の人にこそ
★★★★★
バフェットは若い投資家に「グレアムとフィッシャーを読みなさい」と勧めるという。
しかし残念ながら、まだ日本ではフィッシャーやテンプルトンの訳本は少ない。
この本はそういった本のダイジェスト版としてだけでなく、5人の大成功した投資家を並列することで、投資で成功するためのエッセンスを抽出することができる本だ。
割安株の権威グレアムと成長株の探偵フィッシャー、そして「割安株と成長株の区別など意味がない」と公言する投資王バフェット。
国際投資のパイオニアであるテンプルトンと、相場の天才分析家であるプライスも含めた、この5人が、根底に共通する投資指針を持っていることに気づかされた。
そして、その5人の共通点をまとめ、具体的な株式選出法までまとめた第6章は非常に実用的で、かつ発見に富んでいる。
(ただし、日本用にわれわれ自身でアレンジする必要はあるが)
ひととおり株の勉強をして、一つか二つの銘柄を買ったことのある人にこそ読んでほしい本。
類い希な成功を収めた5人の「天才」たちは、実はきわめてまっとうな投資行動をとったにすぎない。
彼らとて10戦10勝したわけではなく、2度や3度の失敗を経験している。
それでも、彼らは至極基本的ないくつかのルールを実践したゆえ成功者になった。
結局、投資スタイルは人それぞれだが、先人から学んでおくべきこと、それを実践するために必要な材料が本書に凝縮されている。