固体物理の基礎はこの本で
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国内で出版されている物性の本で、一番分りやすい本は恐らくこの本であろう。吉岡書店からこのシリーズは計4冊出版されているが、その最も基礎的なトピックをまとめたのがこの一冊である。内容としては、電気伝導性の古典論から始まり、量子論の導入、逆格子、そしてバンド計算の方法へと展開していく内容で、物性物理の歴史的な流れに沿っている。このシリーズは、ミクロスコピックな固体物性をより物理的直感で定性的に掴めるように、懇切丁寧に説明されており、厳密な数学は極力避けて書かれてある。物性理論に進む方は、この本を読んだ後さらに厳密な専門書を読む必要があるが、実験の人にはこの本は強力なバイブルとなるであろう。