改訂版がおすすめです。
★★★★☆
肝・脾,胆・膵、消化管、腎・副腎・後腹膜、男女骨盤、血管のMRI、およびMR intervention、MR内視鏡という章構成です。
各分野における撮像方法から、主要な疾患の解説、今後の展望について書かれています。各章の内容は、広く浅くといった感じです。発売から7年たって読んでいますが、すでにMRIによる診断が普及している上腹部の実質臓器については、鑑別に関する記述が全体的に物足りない印象もありました(男性骨盤と血管はよかったです)。逆に、MRIの適応となりにくい消化管や、まだ研究段階のMR intervention、MR内視鏡については、他に入門書がないこともあり、新鮮でした。
本書では、腹部MRIの入門書として、各パーツごとの基本的な撮像方法、主立った疾患の典型的な所見の理解を主な目的とするのがよさそうです。後半は、新しい技術に触れており、ざっと目を通しておくのもアリです。臓器別の各論は、改めて個別の専門書に当たった方がよい様に思います。
腹部疾患一通り学習済みの入門者で、430p/35hくらい通読に要しました。2008年に改訂版が出ています。
腹部MRIの定番教科書としてお薦めします。新疾患概念、新撮像法中心に満遍なく改訂され、完成度は上昇。EOBは間に合わず残念
★★★★☆
初版と比較しつつ通読しました。
まず、LAVAやVIVEなどの新しいMRI撮像法についての解説が追加されており、最先端に少しだけキャッチアップしています。しかし、新しい造影剤であるGd-EOB-DTPAに関する知見は完全に除外されており、出遅れた感は否めません。他に技術的なこととしては、DWIBSの詳細な解説が追加されています。その代り、MR intervention がバッサリとカットされています。
また、初版では収載されていなかったが重要ないし新たな疾患概念についての記載が追加されており、網羅性において、より完成度が高まっています。
追加された主な疾患: hepatic epithelioid hemangioendothelioma, intraductal papillary mucinous neoplasm, lymphoepithelial cyst of the pancreas, smooth muscle tumor of uncertain malignant potential, minimal deviation adenocarcinoma, lobular endocervical glandular hyperplasia, Brenner tumor, sclerosing stromal tumor, extraovarian peritoneal serous papillary caricinoma, aneurysm of pancreatoduodenal arcade due to median arcade-ligament compression syndrome, etc.
¥12600. 496p.