厚くて字が細かいので、読むのは大変かもしれないですが、使いやすい印象です。
生物学と無機化学の関連にもページがかなり割かれていますので、バイオな人はそこだけ読んでもいいかもしれません。

無機化学のメジャーな教科書です。特にそれぞれの元素について、その性質や反応性の記述が豊富です。また配位子場理論や点群なども、このレベルの教科書にしては詳しい説明があります。欠点は日本語訳で、わかりにくい表現だけでなく、明らかな誤訳もあります。この本を詳しく学ぶなら、原書も参照しながら使う必要がありそうです。

　多くの大学でも教科書として採用されている、はじめて無機化学を学ぶ人のための本ではないかと思います。しかし、ほんの分厚さからもわかりますがかなり深い内容もカバーしており、より発展的な「コットン・ウィルキンソン無機化学」という本も発売されていますが、大学の学部学生ならばこれで十分ではないかという気がします。また、説明が不十分だと感じられる部分があったなら「ヒューイ　無機化学」を、難しすぎてわかりにくいと感じられたなら「シュライバー　無機化学」を参考にされるのがいいのではないかと思います。
　ただし、この本は日本語訳が大変わかりにくく、余力があるのなら原著にチャレンジするのがよいかと思います。