２００５年に劇場公開された手塚眞監督の作品。巨大企業ダイダロスが経営するショッピングモールで、無差別爆破テロ事件が発生。負傷者の手当てに当たる医師が不足する状況に、友引警部がブラック・ジャックを現場に向かわせる。そんな理由で、今回のＢ・ジャックは、シリーズ初（おそらく）留置場からの登場となる。

この作品の目玉は何と言っても、Ｄｒ．キリコの登場であろう。実際にアニメの中で「動く＆喋る」キリコは希少なので、キリコファンなら新鮮な感動に出会えるのでは・・。

映像は綺麗、登場人物もバラエティーに富んでいて面白い。前半の約３０分が爆破テロとその被害者をめぐるストーリーで、その後「刺生庵」での刀匠の死と、その死から学ぶシーン。それ以降は、ダイダロス社の陰謀に巻き込まれて行く。どれもＢ・ジャックには必須のストーリー展開ではあるが、あえて言うと、限られた時間内にあれもこれもと詰め込み過ぎて、全体のバランスが良くないように思える。だから星は４つ。頑張れ！手塚眞監督。

あまりにひどい作品。

ただの作品のつぎはぎになっていて、まとまりがない上、キャラクターの魅力が全く生かされていない。というよりは、監督がブラック・ジャックという物語そのものを理解していないと思われる。
ブラック・ジャック・アニメは子供向けの作品なのは理解できるが、ファンをバカにしているとしか思えない。

いくら手塚先生のご子息といえ、先生の世界をアニメーションで現すのは難しかっただろう。でも、よくまとめている。ストーリーは詰め込みすぎだったかなとも思うが、BJとキリコの対決が見られて良かった。

長大な原作をアニメ映画化する場合、映画は全くの１エピソードか、原作の場面を継ぎ合わせダイジェストっぽくするかどちらかなのですが、この後者は結構危険度が高いんですね…

この作品の場合、同一スタッフがTVとの平行作業という事で無理がきて作画はじめ作り全体がなんとも雑、更にストーリー自体原作のオイシイところ取りをしようとして結局グダグダ…というあたり、なんとなく昔の東映アニメーション版の劇場版「北斗の拳」を思い出してしまいました。

ついでに北斗の拳つながりでたとえるなら、TVアニメ版から始まってるプロジェクトそれ自体の胡散臭さは、主にヴォイスキャラクターの起用面で原作ファンをがっかりさせた、近年の北斗の拳ファンドプロジェクトを彷彿とさせます。
この「ブラック・ジャック」の場合、この劇場版のゲストキャラクターのCV・及びTVからそのまま改善されず世襲一族経営化丸出しのまま持ち上がりの監督
ーこれらの人選を、いったいどこの原作ファンが歓迎したというのでしょう？！！

まるっきりの作り手側都合・思惑・勝手な思い込みで話が進められ、結果がっかりするような出来の作品が生まれても、なおファンはお金を払ってくれる
ーなんていうのがいかに甘々な希望的観測か、作品を送り出す主体者はちゃんと認識してほしいものです。

シナリオは原作の中のいくつかのエピソードとオリジナルで構成されているのだが、こちらは完成度が高く素晴らしい。よくここまで上手くまとめられたなと感心する。
冨田勲氏によるジャズ風の音楽も秀逸だ。ややハードな展開の本編とのマッチが絶妙。
しかし、残念なのは作画。各場面に作画のバラつきが見られる。もう少し統一感を出してほしかったな。
それ以外に文句はないです。