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ジーン・ワルツ (新潮文庫)

価格: ¥546
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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いまいち理解できない ★☆☆☆☆
以前産科医療に従事していた者です。産科医療、不妊治療の現場を知っているだけに主人公の描写があまりにも産婦人科医としてどうかと思います。もちろん小説だからと言われればそれまでですが…。 代理母問題を提起した作品かもしれませんが、代理母問題以前に不妊治療の技術を悪用し、他の夫婦に自分の受精卵を戻すなんて行為はいくら自らが不妊になった産婦人科医とはいえ、もちろん一人の女性としてもこのような突飛な行動には小説とはいえあまりに無理があると思います。あんな傲慢な考え方を持つ女性が産婦人科医としてその知識と技術を悪用しておきながら、その後も平然と産婦人科医を続けれる心理もまたわかりません。作者は何か母性をはき違えているのではと思います。産科医療はこのような程度の低い倫理観のものではないと思います。この点が作者が医師とはいえ、専門分野が違う、男性の感性で書いた作品なのだと思います。この作品を一般の方々が読んで、代理母問題を考えるきっかけになるのは根本がずれていて、問題を歪ませて考えてしまう気がしてならないです。レビューを見ると皆さん高評価だったので、期待して読んだだけに内容にガッカリでした。
重大なる問題提起 ★★★★☆
AI(死亡時画像診断)の次に筆者が問題提起するのは、産婦人科問題
でした。舞台は桜宮市から東京へと移ります。でも主人公は東城大出身
ですし、友人の小児科医「真弓」と言えば・・・

そのうち物語がクロスするのでしょうか。楽しみです。

産婦人科にまつわる問題を数多くスマートに扱っています。バティスタの
バタバタ感とは違う「巧さ」が出ています。出産についても多くの頁で
解説してくれてます。未婚女性には是非読んで欲しいです。

・1万人に1人の出産異常で最善をつくしたにも関わらず逮捕された医者
・体外受精の遺伝学的意義
・仮り腹問題(代理母問題) etc

その筆は医療だけには留まりません。

・未婚の母(しかも男は逃げている) ←この娘には涙しました
・胎児と仕事をどちらを優先するか
・不妊治療をめぐる人間模様 etc

巧い反面、テーマが重すぎて一部救えていないため星4つとしました。
白鳥さんの存在は大きい。

2冊続けて読むなら、この本を読む前に「医学のたまご」を読んで欲しい
と筆者は言っています。本と本の間の空間にドラマがあぶり出しのように
浮かび上がります。
産婦人科医療について考えさせられる良書 ★★★★★
医療問題に疎い私にも
強い関心を抱かせてくれた。

小説という手法を選びつつも、
著者自身が抱いている医療問題に対して、
明確なメッセージが描かれているのがいいですね。

また、小説としても十分に魅力的であり、
代理母出産をめぐる関係者の思惑が交錯し、
最後にきれいに謎解きが完了してすっきり。

著者の他の本もぜひ読んでみたいと思います。
画像診断の次は産婦人科問題ですか ★★★★★
毎回、最高に面白いだけでなく、現代の医療問題にそくした作品を世に送り出して
いる海堂先生ですが、こんどの産婦人科の抱える問題をテーマにした作品も
最高です。このテーマでも画像診断のように世の中動かせるんじゃないでしょうか?
いやいや、読む価値有りです。
産婦人科医療の崩壊 ★★★☆☆
少子高齢化時代を迎え、少子化対策への保障を渋る行政。
それに迎合し、地域医療を荒廃させた大学病院。
その影響を受けて疲弊し、社会的にも追い詰められる医療現場。

非常に難しいテーマを、産婦人科医曽根崎理恵を味付けとし、
その問題を世に問う意欲作です。

そして、子どもが普通に生まれることの奇跡を感じることができる一冊です。
ぜひ、これから子どもを生み育てる人に読んで欲しいです。

この奇跡を考えると、不妊治療や、代理母出産について、もう少し考えてもよいのでないかと
思いました。予算がないといいますが、無駄な箱物をつくるよりも
こういう現場に予算を配分して欲しいと切に願うばかりです。

この本を読む前に、「医学のたまご」を読みました。
主人公曽根崎薫の出生の秘話が語られるので、非常に感慨深いものがあります。

ただ、小説の評価としては、テーマの難しさからか、今ひとつまとまりきれていない感を受けました。
2冊くらいにして、妊婦や医師たちの心情の変化を丁寧に描いてもよかったのではと思いました。