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小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)

価格: ¥1,365
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: メディアファクトリー
Amazon.co.jpで確認
小説版ならではの奥深さ ★★★★★
自分は映像作品を見た後に小説版を読んだのですが、新海誠氏の才能はこの小説版でも如何なく発揮されています。
そして何より映像作品では語られなかった主人公の大学時代や、社会人になってからの苦悩が描写されているのが嬉しい。
ただ映像作品を文章化しただけでなく、新海誠の手によって新たに補完されたというのがファンとしては嬉しいです。
そして映像作品では語られなかったあの手紙の内容が明かされるのがこの小説版最大のセールスポイント。
アニメだけ見て小説は読んでない方、ぜひ一度読んでみてください。更に鬱になれますよ。
あくまで相互補完 ★★★★☆
映画を見た方、またこれから見る方用の小説であると思います。
あくまで映画では語られなかった主人公たちの心情を文字に表しており、
所々シーンが集約されていて映画を見た・見るのを前提としていなければ解かりずらい部分があります。

映画を見た方にはオススメできますが、まだ見てないという人は一度映画を見てからの方がいいですよ。
映画の「後」に絶対おすすめ ★★★★★

映画版を見た後に、読みました。
映画をうまく補完しており、読まれることのなかった明里の手紙もあって大満足です。
こういうことだったのか、と初めてこの物語をわかることができました。

貴樹がなぜ最後あんな風になってしまったのか。
映画では明里の存在があまりにも大きかったから、という感じで
ひたすら切なく、やりきれない感情が残ります。

でも小説では、貴樹自身の生い立ち、“いつも発展途上である”生き方そのものが
そうさせているのだな、と。明里だけが原因ではない。
だからこそラストには彼が自分の力で少しだけ、前向きになるのが確認でき、ほっと一安心。

四季の情景や雰囲気、食べ物や街などの日常生活、登場人物それぞれの気持ちが
とても丁寧にリアルに描かれていて、感情移入しやすいです。
本当の愛情、本当の幸せとは? ★★★★★
 ネットでなんとなく見かけたのがきっかけでしたが今では人生の一作になってしまった作品です。著者は特に文才のある人物ではないでしょうが、アニメから入った自分としてはあまり気にならず読みやすかったです。アニメの補完作品としてみればさらに引き込まれます。
 これは単なる恋愛小説ではなく、恋愛のを超えた本当の幸せを表現しているすばらしい作品です。本当の幸せとは誰かの心に永遠に記憶されること、誰かに自分の幸せを願われること。本当の愛情とは報われなくても、たとえ嫌われていたとしてもその人の幸せを願い続けることだとこの作品と出会い痛感しました。

恋愛が成就し、交際して親密な関係になっても別れてしまえばそれまで。これは作中の貴樹の恋愛を見ていても明らかでしょう。明里についても明里と結婚する男はたとえ明里と家族になれても貴樹のように明里の一部になることはできないでしょう。たくさんの恋愛をしながらも孤独を感じてしまった貴樹は不幸に見えますが、明里や花苗に幸せを願われている貴樹は間違いなく幸福な人間です。

 人が死ぬときに持っていけるものは愛する人ではなく、思い出だけです。そう考えると結婚とは社会における責任感を表すイベントにすぎないのかもしれません。結婚が意味のないことだというわけではありません。ただ、あなたを本当に愛している人はたとえ傍にいなくても遠くであなたの幸せを願っているという話です。

 私としては貴樹はもしかするとずっと独身かもしれません。最後のシーンは貴樹が明里の幸せを願えるようになったということを表しているのだと思います(アニメのとあるシーンを見ると貴樹と明里が一緒になることの暗示ととれる部分もありますが)どちらにしろ、一人であってもどんなに遠くにいてもこの空のどこかで自分の幸せを願ってくれている人がいる、そう思うだけで力強く生きていけることがこの作品を見ていると伝わってきます。

 過去に恋愛に限らず人間関係で悩んでいる人はどうぞ精一杯悩んでみてください。誰かに愛されたいと思っている人はどうかその人の幸せを願ってみてください。人に伝わった想いは相手の受け取り方によって改変されてしまいますが、あなたの心にある想いは伝わらないけど唯一の一途な思いです。どうか大切にしてください。これが貴樹と明里から読者へのメッセージだと思います。
映画と小説で完成した貴樹の物語 ★★★★★
この本の元となった映画「秒速5センチメートル」の補完的な意味を持つ小説で、簡潔な記述の本文に映画の登場人物のモノローグが丁寧に語られています。
映画では美しい映像と音楽につつまれすぎて、今ひとつ明瞭ではなかった貴樹の心の深層が丹念に描かれており、第三話の見方が大きく変わりました。小説を読むまでは、過去の一生を何度繰り返しても再び訪れるかどうかわからない奇跡のような初恋に囚われた男の物語だと思っていたものが、もっと奥深く、しかし身近なものであったということを知りました。

彼もまた、それからの人生の歩みの中で明里との関係に決着をつけていたのであり、ただそれが明里よりかは上手く出来なくて結果が伴わなかっただけだったんだなと。失ったものの大きさに恐れをなして、いま手の中にあるものが価値の無いように思え、自分は哀れだと信じ込んでしまっていたのではないのだろうかと。
作中の最後半に貴樹が自分の愚かさを責める描写があります。おそらく彼はいままで何度も自己を責めたと思いますが、この時はじめて強烈に感謝と愛情を伝えられなかったことを悔み、同じことを繰り返しているだけの自分にあきれ果てたように思えます。強く心を抉るものの、立ち直るためには絶対に必要な事を彼が積み重ねていこうとしていることが感じとれ、この作品は映画と小説ではじめてひとつの完成した物語となるのだなと認識しました。
新海監督が、あえて小説も出そうと考えた理由はそこにあったのではないかと思います。

最後に私事で恐縮なのですが、私がこの作品にこれほど強く惹かれるのは、私にも同じように忘れられない人がいるからだと思います。
この本を読み終えたあと、別れた時に彼女がくれた手紙を数年ぶりに読み返しました。
あの時は、ただただ辛くて悲しくて、何が書いてあるのか頭に入らず涙を流すだけでした。
今読んでも、涙は流れます。ですが、そこに彼女の真摯な思いと今まで共に過ごした時間への感謝が綴られていたことを今は明確に理解ができます。
長い間止まっていた私の時間が、この映画とこの本のおかげでゆっくりと動き出した気がします。
そんな機会を与えてくれたこの作品に、心からの感謝を。