歴史は悪くてもよい
★★★★☆
自分の失敗や欠点をどのように振り返り、受け止め、付き合っていくのか。個人的な経験においても、国の単位においても、自分を見つめるという作業は時に難しい。過小にもならず、過大にもならず、自責的にも他責的にも極端にならず、しかも、妥当で適切か客観的に評価することを一人のうちですることは、極めて難しい。
この本は、従来の韓国国内の歴史観への批判をこめて書いてあるのだろうから、韓国現代史についてある程度の知識がないと読みづらい。私は韓国についても歴史についても専門ではない……というか、かなり無知。少なくとも、歴史年表を手元に用意したほうがよかっただろう。
1巻に続いて、表現は柔らかい口語に訳してあるので、初心者でも読みやすい文章だ。戦争が残した苦痛や対立を、悲しみの連帯によって超克していくという提案は、多くの人に一考してもらいたいと思った。よりよい未来のために。