新しい学びを実践し続ける為には、コツがある。
★★★☆☆
新しい事をやる際には、それを上手く定着させる事が何より大切だと感じているので、
参考になればと思い、レビューにて点数の高いこちらの本を購入。
継続、定着ささせるためのコツが
因果関係から整理されており、今の私にはとても有意義な本でした。
まずは、実例などを基に、行動をコントロールする4つの要素を紹介してくれます
1)承認による行動強化
2)脅迫による行動強化
3)処罰による行動弱化
4)無視による行動弱化
実際に、それらを使った変革を実践するに当たり、
著者は下記のようなプロセスを推奨しています。
「目標設定」 → 「測定」 →「フィードバック」 → 「承認」
分かり易く言えば、うまくPDCAを回す事でしょうか。
そして、そのプロセスを定着させるためには、
2つのコントロールすべき事がある事を紹介しています。
一つは「飽き」であり、もう一つは「慣性」です。
本著作では、特に「慣性」に着目されており、
さらに、個人、職場、会社の3つに存在する事を指摘し、
本著では、それぞれをマネージメントする方法の例を紹介しています。
全体として、非常に分かりやすくまとめられており、
理論的に難しいところはほとんどありません。
読者にとって、結局難しいのは、
それを実践する事なのではないでしょうか?
読了した私は、その点に関して、自分なりに努めていこうと考えています。
【個人的な学びメモ】
・行動に至る経緯は、
誘発要因(Antecedents)→行動(Behavior)→行動結果(Consequences)⇒誘発要因・・・であり、
これをABCモデルといい、次の行動につなげる為には
Cを出す事が必要である事が分かる。
・行動の背景は「PIC/NIC分析」にて分析できる
・「飽き」が生じないように、新しい刺激を受けられる環境を作る。
・「慣性」をマネージメントするには、各階層でセルフコーチングする。
行動の結果、価値はあったか徒労であったか
★★★★★
筆者のコンサルタントやコーチングのキャリアを生かして、実例分析を取り入れた行動原理の解釈と実務への適用を説いている。何をもって成果とするのか、必用な行動とはどのようなものなのか、どのようなタイミングが必用なのか、そしてそれらは測定可能なのかと言った問いかけが印象的である。個々のシーンを示して、モチベーションの望ましい姿を整理しその継続のための方法を5つのステップとして提言している。
行動の原理である「ABCモデル」が、この理論の根幹としてある。ABCといっても、日本語で言う「イロハ」ではない。誘発要因(Antecedents)、行動(Behavior)、行動結果(Consequences)の略である。このうちの「行動結果」が将来の行動を決定づける最大の要因だ、とする。すなわち、次回の誘発要因にリンクするかを決める。経験を元に今後を腹に思うことはよくあることだ。私達は、飲食店や衣料品店で行列のできる店に足を運んだ結果、また来たいと思うかと自問をしているものだ。このAとCは、論理学ではそれぞれ「前件」、「後件」を指す。条件と帰結を意味する用語を用いたのは、このような含意もあるのだろう。
「一度身につけた思想・価値観・行動様式」(p.200)という慣性と変革に隔たりがあるからこそ、あれこれ考える元となる。私達は、制約された認知機能を有効に活用する知恵として、ヒューリスティックスによって解いていると考えられている。このプロセスを変えないことには、変革と言っても厳しい。本書では、自己への問いであるセルフクエスチョンと、組織成員共有の問いであるコモンクエスチョンを扱っている。「問い」が行動を慣性への刺激と成長を促すとすれば、良質の問いについてまず、自己への問いへの問いかけから実践してみないといけない。
目次、章節項。索引、なし。参考文献、巻末にあり。ひも、なし。行間が読める。
社会生活におけるいろいろな場面に応用できそうな手法
★★★★★
本書で取り上げられているのは,あくまでもビジネスシーンで人を動かすマネジメントについてですが,
例えば,教育の場面で子供たちの学習を支援する手法にも応用することができるし,
病院などで,沈みがちな患者さんの意識を明るいものに変えていくといったことにも応用できる手法だと感じました.
つまり,きちんとコーチング(人間の行動原理のマネジメント手法)を勉強した人間(上司,教員,医者など)
の綿密な計画による支援によって人間の行動はより良きものに変革していくのだということがよくわかりました.
蛇足ですが,コーチング手法を活用して配偶者をコントロールすることも可能なのかもしれませんね.
そんなことを考えてしまいました(笑.
組織風土を変えたいと思っている人へ
★★★★☆
コーチングを用いる企業コンサルタントが書いた本なので、組織改革を根付かせるための法則や手法が細かに記されています。また、実際にコンサルティングをしている過程で見た実例や、聞かれた質問があり、これが良くありがちな内容なので、非常に問題が身近に感じられます。
社長や事業部長は毎年・毎期ごとに改革を訴え、仕組みや組織を変更します。しかし、その思いは全く社員に浸透せず、最終的に結果が出ないことを経験していませんか。それは、人と組織にはこびり付いた風土があるからです。著者はこれを物理学の慣性に例えています。一定の動きを持った物体はその動きを続けようとするのです。
では、人と組織の風土・慣性を変えて定着させるにはどうしたら効果的なのでしょう。表紙が物語っています。きっかけがあり、行動があり、結果があり、その結果は次のきっかけにフィードバックされるのです。ミクロ的には脳内ニューロン、マクロ的には人やチーム、部や支社でしょうか。これらも良い結果に対して正のフィードバックをかければ、より良い行動が生まれるきっかけが強化されていくのです。
この本は、この原理と正と負フィードバックのかけ方を的確に学ぶ良い教科書と言えるでしょう。ちなみに、正のフィードバックの重要なポイントには存在承認・行動承認・結果承認があります。詳細は是非本書をお読みください。
実践的な内容です
★★★★★
行動科学を会社組織に活用している、行動科学のマネジメント系の本は数えるほどしかない。
そのなかでも、実践的な内容となっている
著者のピクニック分析の展開は、行動科学の難しい言い方(日本語的に)を気にせず、スッと頭に入り、即実践出来た
文書のリズムもあるのだろうが、数時間で読了が可能な割には中身が濃かった
行動科学を会社へ導入を検討されている方には最適な一冊になると思う。