マーケティングといえば必ず名の挙がる、コトラー氏(共著)の
本である。内容を一言で言えば、この本はいわゆるマーケティング
(市場=マーケットを読む)に関するものではなく、「どうやって
マーケットを作り出すか」に関するものである。
過去、マーケティングはマーケットの変化に反応して、様々な形態に
変化してきた。
IT社会になれば「ワントゥワンマーケティング」を、
ライフスタイルが重視されれば「経験価値マーケティング」を、
商品機能に差がなくなれば「感情(エモーショナル)マーケティング」を、
広告が通じなくなれば「バイラル(≒口コミ)マーケティング」を。
同様の例は他にいくらでもある。
しかしコトラーは、もう「市場を読む」ことに限界を感じたようだ。
市場がないなら、作ればいい。
そうして、「イノベーション」を核としたこの「ラテラル・マーケティング」が
生まれたというわけだ。
手法はまだまだ未完成であるし、実際に企業のマーケ部が行うには難しいところも
あるかもしれないが、こういった手法は、すぐれたマーケターが昔から
用いたものであろう。(語り口は平易であると思う。)
マーケターにもお勧めであるが、広告代理店に特に薦められる。