コミカライズ化に食わず嫌いな人にもおすすめの作品
★★★★★
映画のコミカライズ版や小説版については、個人的に抵抗があったのですが、
この杉基イクラさんの「サマーウォーズ」全3巻は、非常におもしろかったです。
もちろん映画を元にして、話は進んでいくのですが、
ちょこちょこと、映画にはない設定が盛り込まれていて、
それが、不自然ではなく、蛇足でもなく、すんなりと読み進められました。
絵も違和感がありませんでした。
動いて音のついているアニメーション、紙の上の絵と文字で、無音で繰り広げられるマンガ。
映画がすばらしかったから、マンガじゃかなわないだろうと思っていたけれども、
マンガの良さもみつけられる作品です。
とてもきれいだし、静止画なのに、動きが伝わって来ました。
マンガならではのキャラクターのデフォルメも、かわいらしかったです。
人物とそのアバターを一緒に描いているシーンがあって、映画を1回見ただけでは
なかなか把握できなかった所が、ぱっとわかるところも、マンガの利点だと思います。
ただ、映画を6回見ているので、ここのアングル違うな、と比較はしてしまいましたが、
気にするほどではありません。
むしろ、映画にはない1コマに、目頭が熱くなることもありました。
キャラクターについては、映画版よりも、設定が細かく描写されていました。
特に、侘助に関しては、少しですが、幼年期が描かれていたり、屈折した養母への
感情が、映画版よりもわかりやすく描かれています。
健二については、物語が進むにつれて、たくましくなっていく様が丁寧に描かれていて、
感情移入しやすかったです。
夏希に関しても、最初の自由奔放な性格から、次第に周囲に目を向けていき、
健二の姿に触発されて、家族を守りたいという気持ちが大きくなっていく心情表現が、
とてもよく伝わってきました。
「映画版よりも」を、多く書き過ぎましたが、もちろん映画も大好きです。
その上で、このコミックを手にとって、本当によかったと思います。
成功したコミカライズ
★★★★★
映画のDVDを見てから一気に3巻分を読んだせいかもしれませんが、
丁寧に映画を補完した、非常にいいコミカライズだと感じました。
映画で表現しきれなかったキャラクターの心情を繊細に描き出しており、
映画あってのものだとは知りつつも、映画よりいいと思える部分もありました。
女性陣の外の事に疎い感じ、男性陣の中の事を顧みない感じが上手いと思いました。
夏希はコミックス版が一番可愛いと思います。
健二の芯の強さ、佳主馬のアンバランスさやキングのOZでの存在感、
侘助の屈折した心情とラブマシーンとの共通項などもよりくっきりと描かれています。
映画本編とあと何か一つ薦めるなら、断然これを薦めたいです。
意外と良い作品でした
★★★★★
実は私はアニメを見ておりません、ですが何気に読み始めるとこれが面白い事。 田舎での人の繋がりは意外と煩わしく、現実ではそれ程濃くはありません、ですがこの作品は現在何処か懐かしくて、サマーウォーズと言う割には読み終えると何処か心が揺さぶられます、特に自分の田舎(故郷)が有る人は夏休みに里帰りしたくなるかも?
不意を突かれた
★★★★★
映画も原作も知らず、軽い気持ちでコミカライズ版に手を出しました。
マンガを読みながら、目頭が熱くなるのは珍しいぞ。
ともすれば、希薄になりがちな家族という関係。
あらためて眺めるには、良い1冊(3冊か)だと思います。
こんなに素晴らしいコミック化は初めてです。
★★★★★
原作の映画版が大好きで、もう何度もDVDを見てしまったので、漫画版は、まぁオマケ程度に・・・と思いながら読み始めました。スミマセン。
DVD購入(視聴)後にこの1巻を読み、そのディティール感が程よく“くどく”映画の補足として確立していることに驚きました。ものすごく面白い!1巻を購入したのが、幸いにしてDVD発売後だったので、即、2巻を買いに走りました。2巻も面白い!!
そして、待ちに待った最終巻。
泣けました。
原作映画版でも、上田わっしょいの渋滞に巻き込まれている侘助の呆然とつぶやくセリフからのくだりで何度でも泣いてしまうのですが、この漫画版でも読んでいるうちに目頭が熱くなり、鼻がグズグズ言いだして、そして、ナミダが溢れてしまいました。
今では、大変申し訳ないが、この漫画版のほうが素直に主人公達に感情移入しやすいと思っている。もちろん、原作映画版も素晴らしいのですが、漫画版を何度も読み返した後だと、若干物足りなさを感じてしまう。
後日談もとてもスッキリした。