流通業界の概要を理解する
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流通業のことを知りたいと思っていたので、手頃そうな新書ということで、この『「流通戦略」の新常識』を読んでみました。
日本の流通業はどのようなもので、現在、どのような問題を抱えていて、今後はどのように変わっていくのかということが、コンパクトにまとまっています。ところどころに用語解説も載っていますので、手を止めずに読み進めることができます。
面白かったのは、第5章の「消費起点から流通起点へ」と終章の「21世紀の流通を牛耳るのは誰か?」という章です。
流通業を構成する機能(流れ)として、商流、物流、金流、情流(需要予測などを行うなどの情報機能のこと)の4つがあると言われていますが、今後は、そのうち情流の部分が重要になってくるというのが本書での主張です。その主張の裏付けとして、ユニクロを始め、様々な具体的な企業の実例を挙げて解説されています。
全体的に著者のクセが色濃く出ている本で、最初は違和感を感じる部分もあるかもしれませんが、読み進めるうちに慣れてくるでしょう。
流通業のことを手っ取り早く知るためには良い一冊だと思います。
この著者の本はいつも判りやすい!
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これまで想像もできなかった様な流通業のニュースが重なる中、そろそろついて行けなくなっていたところ、この本のおかげで流通業の現状とその背景がよく判りました。
仕事が流通関連のため、知っていた方が良いのですが、なかなかこういったビジネス書を読む気になれません。以前、読んだこの著者の本は、要点が簡潔にテンポ良くまとめられているので今回も・・と。通勤時間を利用して勉強させて頂きました。
ホンマに勉強になりました
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「お客様にとって買いたい理由」、この言葉は非常に重みがありました。
ディスティネーションの必要性を追究する者が21世紀の流通を牛耳るパスポートを手にする事を「流通戦略」の新常識では説いている様に思います。
過去・現在・未来と判りやすい単元での構成は、現場で活躍する従業員若しくは新人教育のバイブルとして活用したいと思います。
ジャパンオリジナルとは、近代的経営とは対峙するヒューマンなシステムを店舗に注入する事なのかも?
世間の流れに沿うことが本位ではなく、自分達が何をお客様に店舗を通じて表現できるのか
真剣に考えさせられました。
色々な流通セミナーに参加するより800円の投資で十分過ぎるリターンがありました。
ホンマに勉強になりました著者に感謝いたします。
流通の世界を読み解く醍醐味
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どんな人でも普段から身近に接することが多いだけに、「流通業界論」というのは非常にリアリティがあって、面白い。
特に本書は、低価格からブランドへの顧客の嗜好の変化、外資系の進出とその失敗など、まさに激動の時代であったここ5年くらいの流通業界の流れとその要因がわかりやすくまとめられており、非常に興味深く読むことができる。
特に、外資系企業の失敗の原因に関しては、なるほどと思わせることが多かった。
そう、まさに日本の顧客レベルは「世界一」なのだから。
だが、顧客と同じく「世界一」でなくてはならないはずの日本の流通業は、いまだに模索を繰り返しているようだ。
そして本書は、そんな流通業界に対する提案や業界の未来像で締めくくられている。
それらは非常にスリリングな案だが、どれほど正しいものなのか、門外漢である私にはよくわからないところもある。
だが、業界の人にもそれ以外の人にも多くの示唆に富んだ書籍だとは言えるだろう。