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ペリリュー島玉砕戦―南海の小島七十日の血戦 (光人社NF文庫)

価格: ¥790
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光人社
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偏りが気になる ★★★★☆
戦記としては非常に優秀です。
硫黄島と並んで、圧倒的劣勢の日本軍の善戦敢闘は長く語り継がれるべきで、
その役割を本書は十分に果たしていると言えるでしょう。

それだけに、偏った書かれ方をしているのは気になります。
米軍側への取材が少なく、書物からの引用のみ。
日本軍の勇戦ぶりを強調し、米軍をあまりにも軽く見すぎています。
日本兵は勇敢で、米兵が臆病者であるかのような書かれ方はどうでしょう。

もちろん、一部にはそういう事実もあったのでしょうが、ことさら強調されすぎです。
この著者が思っている以上に米兵も勇敢です。

公平な戦記とはあまり言えないので、本書では偉大なる先輩である日本兵の
素晴らしい戦いぶりだけを感じ取るべきでしょう。
サクラ、サクラ ★★★★★
もう2年くらい前になるだろうか。たまたま、靖国神社の就遊館で、ぺリリュー島の戦いについての特別展をやっていたのを見た。それからずっと心に引っかかっていたので、本書を探して読んだ。

日本軍は失敗から学ばない軍隊だといわれることがあるが、それは必ずしも正しくはない。短期間で玉砕したサイパンやグアムの戦訓を生かし、工夫を凝らして圧倒的な米軍に対峙した中川大佐率いるぺリリュー島守備隊の大奮戦の様子は、想像を絶する物凄さである。人間はここまで極限に追い込まれても、こんなにまで頑張れるものなのかと絶句する。

ぺリリュー島が見えるアンガウル島で戦った元軍人によるレポートである。力の入った表現が多いので戸惑う読者もいるかもしれないが、よく調査し整理した上で、戦史を丁寧に記述している。ちなみに、本書に詳しい記載はないが、実はこの著者も、アンガウル島の戦いで活躍し、米軍に突入して頸部を撃たれて動けなくなったところで捕虜になったものの重症のまま収容所を抜け出して米軍弾薬庫を爆破した猛者として有名である。

ぺリリュー島守備隊の奮戦は、劣勢に陥った日本軍のその後の戦闘のモデルケースになった。特に、洞窟陣地を張り巡らした防護線による巧みな抵抗作戦は、近年映画で脚光を浴びている硫黄島の戦いなどでも生かされている。また、ぺリリュー島の激戦は、早期に避難させたために民間人が巻き添えにならなかった戦いであり、特に本書に言及はないが、これがその後独立したパラオの日本に対する国民感情が他のアジア諸国と比べて比較的良好に保たれていることにつながっているということも書き添えておきたい。

圧倒的に強力な米軍相手に、空も海も包囲され、連日の猛爆撃や砲撃に耐え、戦車には肉弾攻撃で対抗し、食糧も水も欠乏し、さらに弾薬もつき果てる中で、根気強く、最後の最後まで文字通り命がけで戦い抜いた守備隊の勇気と能力の高さには、ただただ驚嘆するしかない。本当に、本当に、よく戦ったと思う。

散る桜、残る桜も散る桜
ペリリュー島の戦いの記録 ★★★★☆
 援軍もない孤島を死守する日本軍1万余。サイパン戦などの教訓を生かして、むやみな万歳突撃や玉砕を自粛して、洞窟陣地にこもり徹底的に防御しながら、攻める米軍に人的出血を強いる戦法を実行した。
 攻める米軍の死傷数が、守る日本側を上回るほどの死闘を演じた戦いだ。70日間、文字通りの最後の一兵まで戦った日本軍。
 海を60キロも泳いで機密文書を運ぶ兵隊。火炎放射にあぶられながら、戦う兵隊。物量に立ち向かうのは精神力だけ。米軍を島に一日釘付けすることで、祖国の防衛は強化される。1万人が350人になるまで抵抗し、そのための時間をかせぐ。そして最後の350人も突撃して全滅。この頑張りは無意味だっただろうか。
 彼等自身が願ったような大東亜戦争の究極の勝利には結び付かなかったが…。この本を読んだ直後に、たまたま東京出張になったので、靖国神社に行ってきた。遺品展示コーナーには、ほかの戦場のように記念品の陳列はなく、ただペリリュー島の浜辺の砂だけが展示されていた。でも、こんな恐怖に満ちた戦いを現代日本人は、もう決してできないであろう。きっとできない。僕もできない。
 祖国の永続的繁栄を願いながら多数戦死していったペリリュー島の兵隊たちの記録を、この本で深く知ることができた。
ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)
「サクラ、サクラ」に込められた想い ★★★★☆
 題名の通り本書は太平洋戦争時のペリリュー島防衛に際する玉砕戦を描いたものである。
 硫黄島戦に比肩してアメリカ軍に被害を強いた様は読んでいて胸が締め付けられる思いがする。
 彼我の圧倒的な物量差にもくじけることなく故郷を想い家族を想いながら戦う様には英霊への強い感謝の念を呼び起こさずにはいられない。そしてわずかな援軍のみで奮闘しつつも力尽き、最後にある「サクラ、サクラ」の電文を読むに至ってその無念を強く感じた。
 表現に多少、自負の強すぎる部分があり、多少しらける箇所もあるが、先の戦争中いくつかある玉砕戦のひとつを描いたものとしておすすめできる一冊である。
 数値的資料としてはあまり詳細が記されておらずそれほど価値はないが、散華した英霊の想いを感じるには十分である。
 評価としては自負の強すぎる部分をひとつ減点して星4としたい。