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ゴリオ爺さん (新潮文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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世の中金なのか ★★★★★
バルザックの「ゴリオ爺さん」を読了。やはりこういった作品は若いうちに読んでおくべきであった、と反省。作品自体に力があるので、読み進めていくうちに作品の世界に引き込まれる。ただ読みにくい事極まりないですね。やはり文体の慣れが必要なのでしょうか。

人間は「金」と「生き方」と「愛」についてどう折り合いをつけるのか、いやつけることが出来るのか、といった根本的なところが主題である。その物語が繰り広げられるパリの街を見てラスティニャックはラストで新たな決意を行う。彼はパリを代表とする「社会」に挑もうと決意を行うのである。パリが象徴する全ての要素、その要素は人間を善くも悪くもどちらへも導く。そんな世界に挑む決意を感じるには、読者の「若さ」が必要である。その若さと本作が出合ってこそ、読者の生きる力になるのである。古典といわれる作品は全てそうである。でもまだまだ遅くありません。読もうと思ったあなたの心が若さを表しているのです。大丈夫です。読みましょう。そして、ラスティニャックと同じように心を震わせましょう。
気高い魂と卑俗な心の対照が見事に描かれた「人間喜劇」の中核作品 ★★★★★
自らの貧窮生活を厭わずに二人の娘に金銭的に献身する「ゴリオ爺さん」を中心に、革命後のパリに生きる人々を描いた「人間喜劇」の中核を成す作品。登場人物の一人が「ゴリオ爺さん」を「永遠の父親」と呼ぶのは、ドストエフスキー「永遠の夫」を想起させ、印象的な一言。

銀の食器を潰して金を捻出する「ゴリオ爺さん」。その娘で、貴族に嫁いだ後は金以外の面で「ゴリオ爺さん」を排斥する冷徹なアスタナジーとドイルフィーヌ姉妹。二人が生きる社交界に無理やり飛び込もうとして貧しい実家に金を無心する地方出身の学生ウージェーヌ。正体不明の中年男で饒舌家のヴォートラン。こうした登場人物達を通して金と出世・野望、ジャングルの様なパリの社会階層、悪徳と誠実、男女間の恋愛図式等が、作者の理知的な観察の下綴られる。夫公認の愛人を持つ貴婦人の存在が当然とされる弛緩したモラルの世界で、純情の虚しさが響くが、それだけに「ゴリオ爺さん」の神の愛にも似た無垢な純情が光る。そしてまた、ウージェーヌもドイルフィーヌに純情と金を捧げ、「ゴリオ爺さん」及びヴォートランとの間に奇妙な男の友情関係が芽生える。そして、ヴォートラン及び同じ下宿の娘ヴィクトリーヌの"ドラマ"が前面に出て来る終盤は物語として面白い。人生を左右するのは、愛なのか、金なのか、信義なのかを考えさせる展開である。

理不尽とも言える結末は、利己主義・虚栄心の怖さを示すと共に、親子間でさえも起こる人間相互の思惑の齟齬を映し出している。気高い魂と卑俗な心の対照を巧みな人物配置で描いた、「人間喜劇」の中核として相応しい作品。
親となる人もそうでない人も・・・ ★★★★★
非常に面白かったです。

古い作品ですので想像しづらい描写も多々ありますし、くどい表現も多いと思います。
ですが、最後の50ページぐらいは非常に引き込まれるものがありました。
親としての苦悩、子としての立場。どちらも身につまされる思いです。
170年以上前の作品ですがそれだけ普遍的な事なのかも知れません。

描写、文体がネックとなりそうですが、親となる人もそうでない人も一度触れておいて良いのでは、と思う作品でした。
ゴリオ爺さん ★★★★★
19世紀のフランス文学においては最も読むべき作品だと思う。
金、金、金... ★★★★★
フランス文学の巨匠バルザックの代表作です。が、まず彼の作品を楽しむには、彼の文体にできるだけ早く慣れる必要があります。
「ドラマ」という言葉をあえて使用することの前置きだけで1ページ使い、
話が動き出す前の登場人物の1人の説明だけで、数ページを要しています。

しかしバルザックの作品の魅力はこの人物造形に上手さ、的確さにあります。
その人がどういう家に生まれ、そういう歴史をたどり、どういう行動から、どういう性質を持っているのが明らかなのか、
どうなっていくのか――作者は事細かに、時には哲学的な講釈を加えて叙述しています。
紙面を割いている分とても信憑性があり、「確かにこういう人いるよね」と、ふっと自分の身近にいる人を思い浮かべてしまうのです。

野心はあるが良心を捨てきれない「ラスティニャック」、冷徹で豪胆な策士「ヴォートラン」、
娘を盲愛する凡人「ゴリオ爺さん」といった、読了後も忘れられない魅力的なキャラクターを作り出しています。
なので最初の方は冗漫に感じるかもしれませんが、ちょっと我慢して読み進めてみれば、
きっとバルザックの世界にはまり込んでいけると思います。

ちなみにこの作品中では、読み手のこっちが哀しくなるくらい、「世の中、金だ!」といわんばかりにお金の話やモノの金額について書かれています……。
かなりアイロニカルな(著者の言うところの)「人間喜劇」です。