Smithsのオリジナルラスト、巷の噂を払しょくする好アルバム!!
★★★★★
彼らのラストアルバム、この作品は、あまり高評価ではないようですが、
聴いてみるとなかなか味があってよいと思いました。
特に、ボクには一番アングラな作品Meat Is Murderよりはビューティフルに感じましたよ。
中でもSmithsで一二を競う美しさの「ガールフレンド・イン・ア・コーマ」が、
燦然と輝いていますね。
そして、ラストを飾る「アイ・ウォント・シェア・ユー」。
この曲を聴いていると、Smithsの歴史に感慨深いものを感じます。
このアルバムは、Smithsのメンバー4人もお気に入りの作品だとか。
紙ジャケ盤がある内に手に入れておきましょう!!
伝説のバンドのラストアルバム・・・なのにこのマイナーさ・・
★★★★★
80年代英国を代表するバンド、ザ・スミスのラストアルバムですが、何故かスミスの全アルバムの中で最も人気がないというか、取り上げられることのない不遇な作品となっている。楽曲的には3、4、5曲目なんかは前作「クイーンイズデッド」収録の名曲群と全く遜色のない出来だと思う。サウンドプロダクションに凝りまくって逆にバンド本来の魅力を相殺してしまっている感じが不人気の原因なのか。もっと取り上げられてもいいアルバムだと思うけど・・・・。
ある意味スミスというバンドの本質をこれ以上ない形で記録した作品。「愛されたいのに愛されない」業の深さがここまでバンドを袋小路に追いつめるのか、と。
★★★★☆
Radioheadのトム・ヨークがこのアルバムが大好きなんだそうだ。
ある意味The Beatlesの『ホワイト・アルバム』か『レット・イット・ビー』にも近い感触の作品である。つまり「メンバー間の関係性が悪くなって、機能不全に陥ったバンドの崩壊のドキュメント」という意味で。ビートルズの場合、そこから解散を見据えて『Abbey Road』というスワンソング的なアルバムを完成させたのが流石ビートルズというところなのだが、スミスの場合はそうはならなかった。
このアルバムを聴けば逆説的な形で「スミスというバンドは、結局モリッシーとジョニー・マーのパートナーシップこそがその核であって、それがこじれるとバンド自体がダメになる」という事実が如実に浮かび上がる。じゃあどうしてモリとマーの関係がこじれ出したのかと言うと…これまで散々色んな本や関係者のインタビューであれこれと語られてきた事ではあるけれど、つまるところ「モリッシーがややこしい人だから」に尽きる、という気がする。そしてその「ややこしさ」と彼の書く歌詞の根本に存在する「愛されたいのに愛されない」苦しみは不可分で、結局スミスの歌に独特の深みや輝きを与えてきた要素こそが、バンドが始まりから内側に抱え続けてきた時限爆弾のようなものだったのではないか、と。
このアルバムに収録されている"Rush and A Push & The Land Is Ours"や"Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me"、"Unhappy Birthday"といった楽曲を聴く度に、自分は「これはモリッシーからマーへの恨み節だ」と感じてきた。それが正しいか間違っているかは分からない。でもスミスのファンの中でもコアな人達、特に様々な情報や裏事情なども耳に入ってくる状況にいるイギリス本国のファンの多くは、そういった解釈でこれらの楽曲を聴いてきたのではないか、と思う。それ故に正直音楽性に関しては及第点以下の楽曲が多いにも拘らず、この作品にしかないドキュメント性、「仄めかし」つつ「さらけ出し」てるような感じ(それはモリッシーとスミスのコアなファンだからこそ共有可能な「悲劇の主人公」シンドロームなのだが)、グサっと突き刺さる感じと何となくもやもやとげんなりさせられる感じを行ったり来たりするような、どうにも座り心地の悪いもどかしさ…そういうのがクセになるという人にとってはそうそう他のアルバムでは代替不能な、中毒性の高いアルバムだと思う。
私自身、このアルバムを初めて聴いた高校二年生の時に同級生に一方的に恋をして、それが相手にとっては迷惑以外の何物でもないような形で周囲も巻き込んですごくうんざりするような状況になってしまって…という記憶を掘り起こされる作品である。だから、スミスの活動再開だけはありえない、というのがすごくよく分かる。「地獄」以外の何物でもなかったんだろうな、って。
傑作でなくとも理想作
★★★☆☆
「ストレンジウェイズ ヒア ウィ カム」・・・このアルバムは1st「ザ スミス」と同じように聞き終わった後に苦しい気分にさせてくれる。ザ スミスといえば「ザ クイーン イズ デッド」を代表作と挙げる人は多いだろうし、私も異論は無い。「ザ クイーン イズ デッド」はバンドとして完全燃焼している作品だから最高傑作と言えるのだが、「ストレンジウェイズ ヒア ウィ カム」はモリッシーの、マーの、そしてバンドの不安や混乱といったものが交錯した「意味深」なアルバムになってしまった。もちろん解散発表の前後のアルバムということもあり、ただでさえ重苦しい雰囲気の中で耳にしているので当然かもしれないが、ザ スミス史上これほど後味の悪いアルバムもない。
しかしながらこの後味の悪い、重たい雰囲気こそがザ スミスの(というかモリッシーの)真骨頂とはいえないか?個人的な話ではあるが、不安定な思春期に出会ったザ スミスは決して私に「安らぎ」など与えてくれなかった。むしろ不安を増幅させる要素のほうが大きかったように思える。マーの美しい旋律に浸りながらもモリッシーの独特の詩世界に自分を置き換えてみたり・・・。そういう接し方をしていた私にとっての「ストレンジウェイズ ヒア ウィ カム」は儚く、空しいだけのアルバムなのである。すべての曲が物悲しいストーリーでありながら美しい旋律を伴ったこのアルバムを「裏ベスト」に挙げる人は結構いると思う。それはこのアルバムがザ スミスの典型的なアルバムだからだ。特に「ストップ ミー」は後期スミスの傑作だと思うし、大袈裟な「サムバディ ラブド ミー」は最もスミスらしいタイトル。紛れも無くスミス・マジックが効いた作品集・・・。とはいえある種なげやりにも感じるのは、モリッシーとマーの感性がオーバーヒート気味だったから?絶妙なマッチングで凌ぎあっていた「ザ クイーン イズ デッド」との差はここだろうな。
実質的にラストアルバムとなった「ストレンジウェイズ ヒア ウィ カム」。以後にスミス作品が発表されているが、どれ一つとして満足できるものは無い。「ランク」ですらBBCライブ音源で聴いていたのであまり有り難味はなかったし、ベスト物なんて個人的には必要が無い。もう続きを聴くことができない・・・行き着くところに行き着いてしまった儚さと空しさが「ストレンジウェイズ ヒア ウィ カム」をレクイエムにしているのだ。
モリッシーのファーストソロアルバム…
★☆☆☆☆
この作品は、ザ・スミスの最後のオリジナル・アルバムとされていますが、内容的には、見事なまでにジョニー・マー色が消されており、モリッシーのファースト・ソロ・アルバムだと云えます。当時の僕は、凄まじいまでにザ・スミスを愛していましたので、このアルバムを聴いた時には、どれだけ落ち込んだことでしょう。暫くして、やはり、ザ・スミスは解散してしまいましたが、僕は当然の結果だと思いました。このアルバムが当時のモリッシーとジョニー・マーの関係をよく表しています。という訳で、ザ・スミスの最初で最後の駄作ですね。