彼女たちが戻ってきた。美しく、プロフェッショナル――だが、女らしさは忘れない。『地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル コンプリート3rdシーズン』は離脱したエンジェルのジル・マンロー（ファラ・フォーセット）の妹クリス・マンロー（シェリル・ラッド）が、チャーリー探偵事務所にすっかり定着している。だが、ジルも完全に姿を見せなくなったわけではない。フォーセットは3つのエピソードに登場している。カーレースとハンサムな恋人（スティーヴン・コリンズ）に惹かれる気持ちはあるが、仕事を完全に振り切る心の準備はできていないのだ。だが、フォーセットのことはもういいだろう。本シーズンにおけるチャーリーの美しきエンジェルたちの活躍は、ラスヴェガスを舞台にした前後編のミステリで開幕する。ディーン・マーチンが悪徳カジノ・オーナーを演じている。彼は自分が身元不明の敵によって心理的な嫌がらせを受けていると信じ込んでいる。問題は、彼の従業員や友人がその敵に実際に傷つけられ、殺害までされていることだ。クリスにくわえ、頭の切れるサブリナ・ダンカン（ケイト・ジャクソン）、世慣れたケリー・ギャレット（ジャクリーン・スミス）のエンジェルたちと謎の仲介者ボスレー（デビッド・ドイル）は、マーチンの人生を台無しにしようとたくらむ陰謀を暴くべく、潜入捜査を始める（もちろん、マーチンはエンジェルの1人とロマンスを体験する。サブリナだ）。その後のエピソードでは、いつもの『チャーリーズ・エンジェル』のパターンで話は展開していく。エンジェルたちの好感度の高い人柄、セクシーな女は頭が空っぽという定説に反する機転、その一方で必要とあらば（もっとも、ジャクソンはそれほどでもないが）すぐに服を脱いでみせるお色気で引きつけていくのだ。なるほどレオタードを着用したり、ショーガールのコスプレを行う必要があると納得できるものもあるが、大半のエピソードでは説明もなくお色気シーンが登場する。ベストのエピソードをいくつか紹介しよう。「FII大暴走!帰ってきたジル」では、ジルが不意打ちでチャーリーの元に戻ってくる。クリスだと名乗る何者かが偽の電報でヨーロッパにいるジルを呼びだしたのだ。誰の仕業か何とか調べようとするジルは、新たな車のエンジンを開発して敵に狙われている古い友人（ホルスト・ブッフホルツ）と協力することになる。「陰謀!男子禁制女の園」では、女性専用の高級スパを経営するレズビアンのぞっとする提案を利用することになる。「ショック!亡霊殺人鬼」は怯えた女性を通じて若い男性の魂をあの世から呼びだすという気味の悪い物語。真実かもしれないし、嘘かもしれない。それはエンジェルだけが見つけだせることだ。「神出鬼没!偽エンジェル強盗団」では、クリス、ケリー、サブリナを名乗る3人組が銀行強盗に入る。エンジェルたちは無実を証明するために立ちあがる。最後に時代（1979年）を象徴するすばらしいエピソードを紹介しよう。「絞殺魔!ディスコでゴーゴー」は3人をぴったりの場所に立たせる。ダンスフロアに。（Tom Keogh, Amazon.com）