ジェフ・バックリィについては、こう言われている。「若すぎる死だった」。そう言われる理由はこうだ。人間の耳とデジタルコード化ディスクで成し遂げた成果として、『Grace』はただあまりにすばらしかった。熱く大きな夢を詰め込むのに十分な7オクターヴの声を持つ、伝説のティム・バックリィ。ジェフはその父の声を受け継いだが、音楽は自分自分のものだった。ドラッグを効かせたヴァン・モリソンの『Astral Weeks』を想像してみてほしい。といってもドラッグはある種の安らぎをもたらすものだが、『Grace』に安らぎはない。ただ、力を奪う絶望と、暴力的なまでの喜びの間を、絶え間なく揺れ動いているだけだ。「Last Goodbye」の曲中、ボリウッドのストリングスとバックリィの恍惚としたスキャットによる、3つ目のミドルエイトが始まると、普通の人間にこんな途方もないことができてしまったとは、信じがたい思いにかられる。(Caitlin Moran, Amazon.co.uk)
言葉にできないほど
★★★★★
素晴らしい名盤です。Dire StraitsのMoney For Nothingのようなイントロから始まるMojo Pinからラストまで一気に聴けます。声だけでなくギターのトーンも非常に美しく、#6などは一小節目から引き込まれます。まだ聴いたことのない方は一度は聴いてみてください。
特に推したい曲#1#2#3#4#5#6#7#8#9#10#11
Jeff
★★★★★
彼の死後に彼の存在を知り、このアルバムを聴いた者です。 声の力と言うものの凄まじさ 凄まじさをエモーションを持ってして「表現」できる(これが肝心)ジェフのシンガーとしての力量。 空気をも変えます。 そんなわけで歌ばかりが注目されるジェフという人ですが、実は弾くギターも独特で印象的です、2.Graceのイントロのアルペジオの後に入るコードワークには思わず鳥肌。 9.Eternal Lifeの破壊的な音も魅力的。 ジェフを支えるリズム隊もとてもタイトで特に時折入るベースのフィルインは聴いててかっこよい!と思うことも。 レディオヘッドやミューズに影響 、ロバート・プラント、スティーブ・ヴァイ、バーナード・バトラー...etcジャンル問わず賞賛され 最近ではワンリパブリックなんかもカヴァーしてたり ピンときたひとは、是非
神がかり
★★★★★
彼の死のニュースを聴いたとき、驚き、悲しみと共に「やっぱりか」という思いがありました。彼の音楽を聴いた方はわかると思いますが、これほどまでに「命を削って」歌っているという感じが伝わってくるミュージシャンを、私は他に知りません。
激しさに、そして儚げな美しさに胸が締め付けられます。神がかっていますし、それ故に神に召されたのだと思います。神に近づきすぎて、そのまま気に入られて・・・というようなことを無宗教の私でも考えてしまいます。
彼が命をかけて残してくれた一枚を私はいつまでも大事に聴かせてもらいたいと思います。
あんま好きじゃない「名盤」
★★☆☆☆
ちょっと感情過多でサウンドもロックぽすぎるのが好きじゃない
ライブ盤は大好き。アコースティックのほうが似合うのに・・・
多幸症のジム・モリスン
★★★★★
彼が双極性障害であったという話や、そして30歳でミシッシピ川に溺れて死んだということなどすべてをひっくるめて、あるいはすべてを無視してその音楽は圧倒的に美しい。
初期のローラ・ニーロのように、聴く者の心臓の拍数をも強制するような息苦しさと正反対のところで、彼の音楽は聴く者の存在のうえに確実に聴く度に様々な痕跡を残す。
感情のコントロールが破綻すれすれのオランピアのライブもすばらしいが、グレースは彼の作品の中でもっともバランスがとれた傑作だと思う。