しかし、この数十年間にパンク、メタル、グランジを経験した我々は、「Mother(マザー)」や「Isolation(孤独)」や「I Found Out(悟り)」に赤裸々な絶望の叫びを感じ取るだけの耳の感度を失ってしまった。さらに、「God(ゴッド)」でひときわ熱く歌われる「I don't believe in Beatles(僕はビートルズなんか認めない)」という文句も、ビートルズ解散当時のようには響かない。あの頃はこの一節にドキリとさせられたものだった。とはいえ、本作が今なお感動の名作であり続けているのは、ひとえにジョンの曲づくりのうまさゆえだろう。(Dan Epstein, Amazon.co.uk)