当初はフィル・スペクターのプロデュースで録音がスタートしたものの、奇行で有名なスペクターは途中でマスター・テープを持って失踪。その後、ジョンはセルフ・プロデュースで制作を再開し、テープが戻ってきたスペクターとのセッション・テイクと合体させて完成したという、いわくつきのロックンロール/R&Bクラシックのカバー集だ。ボーナス・トラックとして、そのスペクター・セッション時のアウト・テイクなど4曲を収録している。
せっかくなら、スペクターと共作したオリジナル曲「Here We Go Again」やロネッツのカバー「Be My Baby」など残りのアウト・テイクを全部入れて2枚組にしてほしかった気もするが、今回のリミックス&リマスターによりサウンドの迫力は数段アップ。優れたロックンロール・シンガーとしてのジョンの魅力がたっぷりと味わえる。切れ味鋭い「Peggy Sue」なんて最高にカッコイイし、最後の「Just Because (Reprise)」では元ビートルへのメッセージも飛び出す。(木村ユタカ)
永遠の名盤
★★★★★
正直な話、ここだけの話、これは名盤です。
イヤ、ここだけではなく、誰でも知っていることかもしれませんが。
でも、意外に知られていないかもしれない。
ジョン・レノンといえば、もうイメージが固まっちゃる人なわけだけれども、ここに入っているのは、天然100%、混じりけ無しのオールド・ロックンロール!
懐かしいロック黎明期(1950年代のことだよ)のあの曲この曲を、へたれたりシャウトしたりと縦横無尽でカヴァーしまくる。
なんだろう、この尋常じゃないテンションは。
誰かが、この作品のことを『大変態ロックンロールアルバム』と評していましたが、イヤ、まさにそのとおりで、一見ノーブルにも見えつつ、んなこたぁない、ヤバイ位のイカれたロックぶり。
これぞまさに、正しきオルタナティブでしょう。
普段のレノンが苦手な人こそ、これをどうぞ。
ぼくもときどき、無性に、聴きたくなります。
あ、余談だけど、カウボーイビバップのDVDかなんかのジャケットに、これのジャケットを引用したの、なかったっけな。
ROCK LEGEND
★★★★★
最初に聴いた10代の頃は、わけわかんなくて、いいのか、悪いのかも判断つかなかった。その後オールディーズを、よく聴いていた頃が、あって、それからジョンにも抵抗感なくなって20代前半の頃に、このアルバムが大好きになり、みんなに広めてた。イマジンは、みんな知ってる曲だけど、このアルバムは好き、嫌いが別れるのか、意外と、みんな聴いてなかった。だから、勧めてた。ジャケットも、かっこいいしね。ソロアルバムにしては、カバーなのかジョンが、のびのび音楽を、やってる感じが好きで、また、その頃つきあってた彼女が、音楽に詳しい人で、その彼女もジョンの大ファンで二人で聴いては、朝まで話せた。酒も飲まない、しらふで。そんな青春を思い出す。振り返ってばかりも駄目だけど、最近の音楽つまんないからねぇ。俺に音楽を教えてくれた偉大なるアーティスト。ジョンは俺の青春そのものだった。
本当にコレが素晴らしいと思っているのだろうか?
★☆☆☆☆
もの凄い偉大なカバーアルバム!
・・・・・のような過大評価が多いのでは?
L・リチャード(50年代の)やB・ホリー、
そしてG・ビンセント(事故る前の)を聴いて米R&R好きになった者にとって
コレはR&Rとは言えない・・・・・・
私もビートルズは大好きだが、コレはちょっとね。
コレを「素晴らしい!」なんてとても褒めれません、と、言うか
幼稚すぎて聴いてられねえ・・・・
ジョンがR&Rナンバーをカバーしているだけ。それだけのアルバム。
ジョンのアルバムを貶すともの凄い反発があるが・・・・・
オリジナルの凄いサウンドが耳にこびり付いてる者にとってコレはキツイでしょ、
そう思うのは俺だけではないはず。
「ヘルプ」や「ノーリプライ」をビートルズ以外のミュージシャンが演奏している
のを聴いて「なんだよ、コレ!」と思った事ありません?
それと同じ。
ロックンローラー・ジョンの圧倒的なヴォーカル
★★★★★
「ビー・バップ・ア・ルーラ」から「スタンド・バイ・ミー」の頭2曲で完全にはまります。著作権がらみのいろんな製作過程を経ているのを全く感じさせないつくりのなっています。世界最高のロックンローラー・ジョンの圧倒的なヴォーカルを体感してください。最近カバーアルバムがいろんな人たちによって発表されブームになっていますが、如何にレベルが違うか良く分かりました。こんなレベルのカバー・アルバムなんて出来ないんだということが。例によってジョン・レノンにはファンが知りたいようなマニアックな雑学的な話題もこのアルバムにはいくらでもありますが、そんなことよりまず聞いてください。おまけの曲まで。如何にジョンが偉大なヴォーカリストだったかを再確認してください。推薦します。
ロッカー、ジョン!
★★★★☆
遺作となってしまった「スターティング・オーバー」でのロカビリーが、まさしく水を得た魚のようだったジョンのかっこよさ満載のアルバムです。「スタンド・バイ・ミー」など誰がこれ以上の表現をするでしょう(ウォーカー・ブラザースもかっこいいけれど)。ヨーコとの間に心の深い溝をかかえていたジョンの苛立ち、哀しさ、過去への思い、なにもかもが混沌としているように感じられます。ただ、おまけを数曲入れるのなら最初期予定されていた「ビー・マイ・ベイビー」を含む曲順で発売してほしかった。もう、ずっと待っているのですから、EMIさん、ヨーコさん頼みますよ。一度くらいならヨーコの曲を飛ばさないで聴きますから。星一つ減はその故です。