傑作「死者との会話:原題Conversations with Dead People」(このドラマシリーズでもっとも恐ろしいエピソードの1つ)では、いろいろな考えになやまされ、ミステリアスな歌がスパイクの魂に反して彼を再び殺す。ジャイルズは「夜の闇に抱かれて:原題Bring on the night」に登場し、バフィーは「ショータイム:原題Showtime」で、これまででもっとも手ごわいバンパイアと闘わねばならなくなる。「秘めたる力:原題Potential」でドーンは自分の人生の目的を根本から考え直すことになる。
「吸血キラー 聖少女バフィー」はつねに女性の権利拡大に関する番組だったが、同時に、平凡な人々が非凡な人々といっしょにすばらしいことをしようとするとき、どうやって決断を下すかについても描いている。さらに人々が過去の過ちや罪を償うことも描いている。だから、たとえば、「迷監督・アンドリュー:原題Storyteller」のように、かつてはオタクでひどい悪党だったアンドリューが、バフィーの生活をビデオ日記に収めて償いの道を選ぶ。「母の嘘:原題Lies My Parents Told Me」ではなぜ、あるフォークソングがスパイクを狂わせるのかが判明する。フェイスがサニーデールに戻ってきて、かつて裏切った友人たちと再会するとき、厳しく非難していた男性に自分が変化していくことにウィローが気づくときにも償いがなされる。だが何といってもこれはバフィーの番組で、サラ・ミシェル・ゲラーがバフィー役としても、バフィーの究極の影でバフィーになりすまそうとしてバフィーの顔を奪うファースト役としても卓越した演技を見せる。TVドラマの中でももっともすぐれた番組にふさわしいすばらしいエンディングである。(Roz Kaveney, Amazon.com)