このシーズン4で「吸血キラー 聖少女バフィー」は真の黄金期を迎えた。これ以上面白くなるはずがないと観客が考えた頃、ジョス・ウェドンとスタッフは全力をつくして、バフィーと仲間たちを新たなすばらしい領域に導いた。とくに本シーズンの(そして全シーズンの)ハイライトは、エミー賞にノミネートされた「静けさ(原題:Hush)」で、身の毛もよだつ「ジェントルマン」がサニーデールから人間の声を奪う話は、セリフを自由に話しているのに近いエピソードであり、バフィーとライリーはとうとう互いに隠していた正体を見極めることになる。フランケンシュタインのような怪物アダムはいちばんの悪役とは言えないが(いちばんの悪役は、シーズン5のグローリーの登場まで待たねばならない)、彼はバイオテクノロジー時代に立ち向かう反抗者として意味のある存在であり、その武装は今までのシリーズのゴシック調の成り行きとは対照的である。シーズン4の目玉は、金髪のバンパイア、スパイク(バフィーに一目ぼれしている)が戻ってきたこと、復讐の悪魔アンヤがレギュラーキャストに昇格したこと、いけない吸血鬼ハンター、フェイスが少しだけ再登場したこと(バフィーと身体が入れ替わる、2話完結のすばらしいエピソード)だ。圧倒的な魅力のサラ・ミシェル・ゲラーを先頭とする全キャストが、全編を通して、テレビの小さい画面に、テレビではめったに観られない魔法をかけた。シーズン4こそ「吸血キラー 聖少女バフィー」の最高傑作である。(Mark Englehart, Amazon.com)