ドーンの登場で、このドラマがこれまでにない傑作になったと言うファンもいるだろうが、事実シーズン5は、かつての名作テレビドラマと同様のすばらしいコメディによって(「ドラキュラ:原題Buffy Vs. Dracula」、ザンダーのそっくりさんが出てくる「代替品:原題The Replacement」、バフィーロボットが登場する「仲裁:原題Intervention」)このドラマシリーズの頂点に達した。ウェドンが脚本を書いて監督した「別れ:原題The Body」はこのドラマの最高のエピソードで、日常的に超自然的な死に勇敢に立ち向かっている少女が、母の突然の死には無力だと気づく。シーズンの最初の三分の一ほどは、いささか波があるが、邪悪なグローリーが本領を発揮しだすと見事な番組となった。クレイマーはこのドラマの最高の悪役で(もちろん、邪悪なエンジェルには負けるが)、脇役も絶好調だった。だがいつもどおり、このドラマの強力な中心人物は見事なゲラーであり、敵役でバフィーに片思いしているバンパイア、スパイク(ジェームズ・マースターズ)と火花を散らし、テレビではめったに表現されないモラルのジレンマと戦う。シーズン5でバフィー・サマーズは、トニー・ソプラノ(「ソプラノズ」の主人公)同様、テレビ界の本物のスターになった。(Mark Englehart, Amazon.com)