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室の梅 おろく医者覚え帖 (講談社文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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ほのぼの小説ではあるんだけど ★★★☆☆
捕り物の話でありながら、夫婦とその周りの人間との人情物語に仕上げているのは、宇江佐さんらしい作風。
でも今ひとつストーリーにのめりこめなかったのは、内容に現実感を味わえなかったからかもしれない。
検死役の“おろく医者”が、死体の検分ばかりでなく、聞き込みや下手人の取調べにまで同席するのだろうか。
しょせんノンフィクションに過ぎないのだけど、う〜ん好きな作家さんだけにこだわって星3つ。
ひと味違う捕り物帖 ★★★★☆
 久々に捕物帖の楽しみを思い出させてくれる一冊だ。
 第七十五回オール讀物新人賞を受賞した初作品『幻の声』以来四作目という宇江佐さんの作品は、数こそ少ないものの、流麗な筆はこび、文章の匂い、語り口、そして読者を話の世界に運びこむリズムまで、すべてに名人のひらめきを感じさせ、純粋にエンターテインメントとして物語を楽しむことができる。

 物語は、近所の人々から「おろく医者」と呼ばれている奉行所の検屍役・美馬正哲が、死体の痕跡から犯人を割り出していくというちょっとユニークな捕物帖。

「おろく」とは「南無阿弥陀仏」の六文字に由来するもので死人の意。図体がでかくて容貌魁偉な正哲と、一回り年下で細っこい体で産婆の女房お杏。人の生と死に立ち向かう対照的な夫婦が難事件を解き明かしていく。

 人情味あふれる江戸の群像とその風景を、手がたい語り口調で描きながらも、男性作家にはない、男と女の息づかいや、女の苛立たしい横顔、寂しさが伝わってくる。

ミステリーとしても夫婦小説としても読める。 ★★★★☆
本当に作中で行われてる検死が行われてたのかちょっとよくわかりませんが『解体新書』の杉田玄白を登場させたりしてリアルさを増すように作ってるあたりはかなりのアイデア作品だと思います。設定上は『解体新書』が刊行された年に主人公が生まれたようになってます。

夫が人の“死”に立ち合う検死官、妻は“生”に立ち合う産婆いう対照的な設定は見事である。
内容としたら宇江佐さんの作品の中では最もミステリー色が強い作品となっている。
あと、夫婦小説としても楽しく読むことが出来る。

全4編からなるが2編目の「おろく早見帖」が1番の出来かな。

主人公の美馬正哲が麻酔手術勉強の為に紀伊の国に旅立ってるあいだに妻のお杏が代わりを勤めるシーンがいじらしくかつ微笑ましく感じられァ?。

お互いを思いやってるシーンが随所に散りばめられて、現代物では味わえないような心地よさがある作品といえるでしょう。
こういう2人を理想の夫婦っていうんでしょうね。

生死に関わる仕事をしてるにもかかわらず、子種に恵まれなかった二人の最後はどうなるのでしょうかね、読んでのお楽しみです(笑)