このシンガーソングライターの曲の中ではいまだにコンサートでいちばんリクエストの多い、秩序だったハードロックの「Cinnamon Girl」（邦題「シナモン・ガール」）で始まるヤングの2枚目のソロアルバムには、クレイジー・ホースの風変わりなハーモニーと感傷的で調和したギターが持ちこまれた。「Round & Round［It Won’t Be Long］」（邦題「ラウンド・アンド・ラウンド」）のような穏やかなカントリー・フォークから「Down by the River」（邦題「ダウン・バイ・ザ・リヴァー」）のような恐ろしげなメタル（「Down by the River」のオチは「俺はあの娘を撃った」というところにある）まで広がるヤングの守備範囲は、彼の将来にマルチな才能が花開くことを示している。1969年のセカンド・アルバムは、長いギター・ソロに見られるような60年代のピース・アンド・ラヴへの真摯な情熱が表れているが、『今宵その夜』（原題『Tonight’s the Night』）の暗い内省をも予見している。（Steve Knopper, Amazon.com）