『Possibilities』は、ジャズ・ピアノ/キーボードの伝説ハービー・ハンコック、そして歌はスティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、レオン・ラッセルなどが名を連ねる歴史に残る傑作だ。ロックに強いジョン・メイヤーが控えめでありながら弾むような歌声を聞かせる冒頭の「Stitched Up」。イギリス生まれのソウル魂あふれる若手女性歌手、ジョス・ストーンと、ブルースのジョニー・ラングは土臭い「When Love Comes to Town」を歌う。クリスティーナ・アギレラの素晴らしい歌声が、「A Song for You」を照らす。それに負けまいとアニー・レーノックスはホリー・コール「Hush, Hush, Hush」をオペラ風に歌っている。一方、スティングの「Sister Moon」がこっそりとシンコペーションを刻んでいる。サンタナと西アフリカのベナン出身のシンガー、アンジェリーク・キドーは「Safiotou」でワールドワイドな感覚を醸しだし、元フィッシュのギタリスト、トレイ・アナスタシオによるドリーミーな「Gelo No Montana」は、唯一のインストゥルメンタル。ハンコックのタイトなソロと知的なオーケストラのシンセがアルバム全体を輝かせている。フランク・シナトラの『Duets』、レイ・チャールズの『Genius Loves Company』のように、『Possibilities』はハンコックを新しく、そして畏敬の念を覚えるような高みへと導いている。(Eugene Holley, Jr., Amazon.com)
メンバーとかはすごいんだが、うーん。
★☆☆☆☆
ジャケットを見て分かるように、「フューチャリング誰それ」がすべてのアルバム。曲ごとに入れ替わり立ち替わり色んな人が歌います。ゲストメンバーはすごいん(もちろんバックも)だけど、うーん、ハンコックさんがやる必然性がないんですが。あ、歌伴やってみたかったんですか。そーでしたか。
もう御大なんだから。自分のアルバムでやらずに、一人一人を「私がプロデュースするとこうなる」って示すくらいのことしなきゃ。ちょっかいだしは得意だけどプロデュースは苦手なのかもしれない。
Herbieからのすばらしい贈り物
★★★★★
以前ハービーはジョニ・ミッチェルとプレイし、
そのジョニの歌声をテープに収めて友人のミュージシャンに聞かせたところ、誰もジョニと当てられなかった、という話が残っている。
今作は、ハービーのピアノをバックに、ジョン・メイヤー、アンジェリーク・キジョー、
クリステイーナ・アギレラ、ステイング、ポール・サイモンが自在に歌い、
サンタナやリオーネル・ルエケ、ラウル・ミドーンのギターが絡む超豪華なアルバムになっている。
ポール・サイモンが、あの70年代の名曲"I Do it for you(君の愛のために)"をこんなにジャズっぽく歌うことが信じられない。別人だ。
クリスティーナ・アギレラが、まさに渾身のソウルフルな歌声を聞かせてくれる。
アギレラのこの歌声には本当に何回聞いてもマイッてしまう。
ラウル・ミドーンがスティビー・ワンダーのハーモニカで「心の愛」を歌う。
最高だ!
キラキラ光る宝石がいっぱい詰まった宝石箱を、Herbieからプレゼントされたようなものだ。
POPとかJAZZとか、そのプレイヤーのヒット・アルバムでカテゴライズされてしまって、多くのプレイヤーが、そこを出られなくなる。皮肉な話だ。
オネストで勇敢な心をもって集まったこのアルバム収録にあつまったPOP系のシンガー達を中心にして、新しい『可能性』が確かに確認できるすごいアルバム。
名プロデューサー!
★★★★★
ハービーハンコックと聞いて、ジャズピアノのアルバムかと思うと面食らいますが、何も知らずに先入観を持たずに聴くと、何と心地よいアルバムかと思うでしょう。
ハンコックは良い感じで伴奏と間奏に徹しています。
1曲目は、天気の良い日曜の朝、クルマを流しているときにFMから流れてきたのですが、まさに気分爽快になりました。
アルバム通して聴いても、豊富なゲスト陣でいろんな方向に変化がついていて楽しめます。
それにしても、ハービーハンコックっていろんなことをする人なんですね。
質が高い!
★★★★☆
大物ミュージシャンが若手&実力派歌手をゲストに...なんてありきたりな企画モノかと思ってましたが、これは良い!
ハンコックがでしゃばり過ぎず、「歌伴」に徹した潔さがすごい!
共演者の魅力を最大限引き出しながら、いかにいつもと一味違った楽曲を作るか、というところを楽しんでる感じがします。
大人だなあ。
ポール・サイモン、スティング他のベテランは言わずもがな、クリスティーナ・アギレラは実力見せつけたし、
曲も提供したジョン・メイヤーの才能にはもう誰もケチがつけられないし、
ジョス・ストーンとラウル・ミドンには、改めて声の魅力に驚かされたし(ハンコックもほとんどお任せ)、
みんな自分のオリジナルアルバム以上に出来が良い気がします。
ハンコックのプロデューサーとしての才能が発揮されたアルバムだと思います。
ジャンルを軽やかに超えた!
★★★★★
最初、一聴したときは「あれ〜ジャズじゃない!!」と思って、一瞬引いてしまいましたが、よくよく聴くと、まさにJAZZ、ROCK、R&B、POPS全てのジャンルを超越するスーパー・アーティストだからこそ成り立つ、タイトル通り音楽の“可能性”を、ジャンルを超えてとことん追求した野心的な作品であると確信するようになりました。彼のキャリアと才能、人間性が可能にした超大型コラボレーション・プロジェクトと言って良いでしょう!だって参加したメンツが半端ではありません。サンタナ、クリスティーナ・アギレラ、スティング、ジョン・メイヤー、ポール・サイモン、アンジェリーク・キジョーなどなど・・・。レオン・ラッセルの名曲をクリスティーナ・アギレラがパワフルに歌い上げたかと思えば(名唱!)、今注目を集めているラウル・ミドンが、スティーヴィー・ワンダーのナンバーでその珠玉の歌声を披露したり・・。参加メンバーの持ち味を活かしつつ、彼ら自身が普段の自分の音楽性を大きく乗り越えていくサマがスリリングでたまりません。そして何より、どんな音楽でも見事に乗りこなしていくハービーのプレイは、全編通じて極上の味わいです!!幅広い年齢層の人に聴いて欲しい一枚です。