若かりし頃のコーエン
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これがあの伝説のライブだったとは、見るまで気づかなかった。真っ暗な中で観客に「明かりをともしてくれ」と頼んで始めた演奏は感動。
Rockが熱かった時代のCoolness
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多くのRock Festivalが開かれ、Rockが熱かった時代。何やら大きく変わりそうな予感がした時代。このころ私は高校生でした。そして、熱さや変化とは対極にあるようなLeonard CohenのBird On The WireやFamous Blue Raincoatに安らぎを感じもしていました。
DVDで見ることのできる暗いけれど力にあふれたL.C.が40年前を思い出させてくれます。このディスクを入手したらまず、DVDを見ましょう。女性シンガーたちの佇まいにも痺れます。そしてCDはじっと心を休め、内からエネルギーを沸き起こすためのBGMです。ユダヤのことや聖書のことは知識としてはあっても実感としてはわかりません。しかし彼の音楽から伝わってくる宗教的な感覚は、人間の魂の根底に共通して在り続けているものではないかと思います。そんな思いがある限り、L.C.の音楽は言葉の違いを超えて、私たちにせまってきます。
'79のツアーからのCommander Cohenや最新のLive In Londonにも同じことを感じます。彼は変わることなく人間の魂に歌いかけてきます。最近のスタジオ作では打ち込みを多用していますが、ライブは生の楽器が活躍し、彼の声もより心に沁みるように響きます。これらのライブ作もぜひお勧めです。
35才のコーエン
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今度は、コーエン35才70年ワイト島ライヴの登場である。当方、"愛と憎しみの歌"(71)収録の"Sing Another Song, Boys" 以来この音源には強く惹かれていた。オムニバス版DVDの"Suzanne"1曲でお茶を濁す格好でいたが、やっと長年の想いが叶った。件の曲は半分ほどに編集され(DVD)、エロティックで挑発的な展開は中途半端な印象になってしまいチョット残念・・・ とまれ、全編 音・映像(CD80分/DVD64分)ともに鮮度が高く、単なる40年前の記録というようなものでは全くない。特に(コーエンの求めに応じて擦られる)観衆のマッチの灯が闇夜に瞬く中、それに負けないほど煌めく若き?コーエンの眼光が美しい。バックバンドの顔ぶれも凄いが、自身のギタートレモロのみで1曲聴かせて切ってしまうカリスマに驚く。(The Stranger Song) 歌の力を改めて考えさせる1作。蛇足ながら、どこかディランとイメージが重なる。(DVDは問題なく動作しました)