Displeasing
★☆☆☆☆
ジェイン・オースティンのPride and Prejudiceのファンは大勢いると思います。
私もその一人。このような訳で本は5回読みました。
日本語版は見ていないので翻訳が良かったか悪かったかは知りません。
しかしこのプライドと偏見は英語のセリフが全く魅力なし『ガッカリ』です。
理由: まず大切な会話が見事に無視されている。高慢、品位、マナー、
イギリス貴族特有の取り繕った礼儀も無視されていたのにはビックリです。
At last!ミスター・ダーシーがエリザベスにプロポーズする場面、
一言も聞き逃したくないドキドキするダーシーとエリザベスの会話:
Mr. Darcy:"In vain have I struggled. It will not do. My feelings will
not be repressed. You must allow me; to tell you how ardently
I admire and love you."....ここまではエリザベスに対する熱烈な恋の告白ですが、
その後がいけない、ダーシー姿勢を崩さず故意にではなくても、
彼特有の高慢なプロポーズを続けたのです。
プライドを傷つけられたエリザベスも姿勢を崩さず礼儀正しく、一直線にダーシー
目掛けて怒りをぶちまける。これがElizabeth Bennet。BBC95年はコリン・Fと
ジャネファはファンを凝視させるほど上手に演技しました。
原作を知っている者であればこのドキドキするドラマの中心になる会話がないなんて
考えられません。
プライドと偏見では、マシュー・M演じるダーシー、土砂降りの雨に濡れ
キーラ、エリザベスの顔に のしかかるように、もう我慢できないよと言わんばかり、
それから自信なさそうに弱々しく(アイ...アイ...アイ...ラブ...ユー...)
ここまで来るとガッカリ!長〜いため息がでました。それだけでなく
プロポーズはハンスフィールドのドゥローイングルームにしてくださいよ。
クライマックスを見事に無視したドラマ。
二度目のプロポーズも大切なんですよ:
"...If your feelings are still what they were last April, tell me so at once.
My affections and wishes are unchanged; but one word from you will silence me
on this subject for ever." ...Dearest lovliest Elizabeth!...
ここで私たちホット一息大満足するのです。 Pride and Prejudiceは読者の心を
グイグイ惹きつける オースティンの活気とWitに満ちた文章です。
どうしてこういうすばらしい言葉を 削除してPride and Prejudiceなんて言えるのですか?
"This is quite put out!”
おまけに俳優の演技がいまいちでした。ミスター・コリンズはストーリーの前半を大きく
しめている重要人物なのに、このコリンズはだだちょこまか動くだけで個性がありません。
デバーグ夫人には大物の ジュデイ・Dを選んだのは良いけれど貫禄だけで残念なことに個性なし。
時代にそぐわない服装と髪型が所々で登場。
例えば,ジェインをたずねてナザフィールドに行ったエリザベスが男物の背広着ていた、
あんな洋服、あの時代になかったでしょう。
ベネット家の女性メンバーはジェインも含めて皆さんなんと下品なんでしょう
キーラの笑い方、話し方、立ち居振る舞いも品がありませんでした。
ただ美しかったのはイギリスの風景。惜しかったのは美しいミュージックが
お粗末なプライドと偏見にミスマッチだったこと。
ファンの方々、我慢して最後まで読んで下さりありがとうございました(個人的レビューです)。
これがダーシー?
★☆☆☆☆
脚本が良くなかったのか、マクファディンがミスキャストだったのかわかりませんが、BBC版「高慢と偏見」のコリン・ファースが演じたダーシーの方が原作そのものだったと思います。
脇役も容姿の雰囲気がバラバラでまとまりがなく、エリザベスより美人のはずのジェーンも私には不美人に見えました。
エンディングも、こんなのあり?と、がっかりしました。
救いは、エリザベス役のキーラ・ナイトレイが美しかった事です。
何回も何回も観たい!
★★★★★
主人公エリザベスはあんまりお金持ちじゃないけど、
召使いの居る、という田舎(多分)のお家の次女(多分18〜20歳位)。
ある時、ダーシーとビングリーという2人の紳士がその隣に越してきて、
舞踏会で初めて会います。
ビングリーはとっても気さくで優しいのですが、
ダーシー傲慢で、寡黙で、そして、すっごい大金持ち。
その舞踏会の途中、エリザベスはダーシーとビングリーがこんな話をしているのを聞いてしまいます。
ビングリー「こんな美人だらけの舞踏会は初めてだ」
ダーシー「美人は君の踊った人(エリザベスの姉)だけだ」
ビングリー「妹のエリザベスさんも美人だ」
ダーシー「確かに見られなくはないが、その気にさせるほどじゃない」
"プライド"をずたずたにされたエリザベス。
対して、ダーシーはエリザベスが気になり初めて。。
こんな二人の周りで、
姉ジェーンとビングリー、他にもエリザベスの従兄弟や妹リディアなど、
周りで"結婚"に関する騒動が次々と起きて話は展開して行きます
本を読んでからこの作品を観ると、
とても雰囲気を忠実に再現しているなぁと思います。
ただ、本(特に本作の様な長編)を映画化すると得てしてそうですが、
登場人物が多すぎる、話が飛んでいて分からないところがある、
などがあります。
ですから、この作品を見てお気に召したなら、
是非本を読んでみて欲しいです。^^
色んなことに合点がいくし、映画ももっと面白くなります!
それから、このDVDについている
アメリカ版エンディングには、日本版についていない
その後の2人の話がちょっとだけ入っています。
買われたら見てみて下さい!
本当、ニヤニヤしちゃいますよ!(笑)
原作を読みたくなりました
★★★★★
「有名な古典作品」だから「筋だけ知っておこうか」とたかをくくって見ましたが、恋愛モノである以上に家族の団欒、特に父と娘のセリフがとても良く、ラストシーンはほろりと感動。俳優さんたちの演技も素晴らしかったです。
余談ですが、DVDの映像特典で「アメリカ版ラストシーン」がありますが、本編の感動のあとでこれを見た私は、「要らないだろっ!」とつっこんでしまいました。書籍でも映画でも翻訳の巧拙には賛否両論、言語力のない私は、そうした意見を参考にしては「あ、そうなんだ」と納得、つくられた国の言語で鑑賞できる方をいつも羨ましく思っていましたが、あのラストシーンだけはいただけない! なぜアメリカ版だけがそうなのか、アメリカ在住の方をある意味バカにしているのではないのか、あるいは原作ではあのシーンが重要な場面として扱われている??
・・・色んな意味で、ぜひ原作を読もう! と思える映画でした。(しかし原作にもいろんな方の翻訳バージョンが・・・)
映像はとても美しい。特に建物が素晴らしい。原作者の生きていた時代のものを実際に使っているそうで、豪邸だけじゃなく、主人公の住む一般的な家屋も文化財的なものだから決して手を入れてはならず、本来の壁の外側に壁のセットを組み、スタジオなら穴を開けていいような場所にカメラが入れず、狭くて苦労されたようですが、おかげで外観も内装も雰囲気たっぷりです。
美しい風景とヒロインの真摯さに魅了されました
★★★★☆
恋愛がテーマの英文学というと、「ジェーン・エア」とか「嵐が丘」を思い浮かべましたが、この作品のヒロインは、現在の女性の生き方にも通じる強力な啓示を送ってくれますね。
映画としても、この短い時間枠の中で、そのテーマを失わずよく描かれていると思います。
そして、美しい風景、心が洗われるような音楽、また真摯なヒロイン。このヒロイン、エリザベスを演じるキーラ・ナイトレイ、彼女もまた本当に素敵で、その美しさにしばし見入ってしまう程です。たいへん丁寧につくられた作品だと思います。
その素晴らしい作品を残念ながら、非常に乱暴な訳の字幕がくずしていると思います。吹き替えで観なおしてみると、こんなにも言っていることが違うのかとはっとし、英語字幕を表示して観てみると、吹き替えの方がはるかにオリジナルに近く、そのため正しい解釈ができます。
その疑問を持ちながら、インターネットで調べてみると、物語後半の夜中の場面のヒロインの言葉の字幕が致命的にまちがっているとのこと。幸い、今回買ったバージョンのDVDは、それが正しく修正されていましたので、ちょっと一息ついたのですが、他の字幕は手が入っていないのか、誤解をまねくものが多いことは事実です。
このDVDを字幕で観られた方は、イメージは変わりますが、吹き替えでも鑑賞されることをお奨めします。
字幕に疑問を持った映画はこれがはじめてです。その意味で★を一つ減らさせていただきました。
でも、映画自体、そして物語の描く世界がたいへん素敵で、私自身はこの映画が大好きになりました。そしてヒロインも・・・。