非現実的なエンターテイメントは、現実から離れすぎているとただ切り離されたひとつの世界として独立してしまうけれど、どこかそこに行ききらない、表裏一体の危うさが隠れていて、それを浅倉大介の職人的なポップさがきちんとした枠として機能していて安心できる。
ただ、その境界線の上を歩いている感覚は非常に刹那的で殺伐としたものも孕んでいて、特に、わかりやすく突飛な世界観の伊藤賢一の詞と、ボーカルの黒田倫弘の詞の対比が、ふり幅となっていておもしろい。
こういう世界感をやらせたら浅倉大介の右に出る者はいないと思う。