Journey Greatest Hits DVD 1978-1997 [Import]
価格: ¥1,254
ジャーニーの音楽が、ナイーブな70年代アリーナ・ロックや、気恥ずかしいまでに凝り過ぎた80年代ポップ以外のものとして認識されるまでには、長い年月が必要だろう。しかし、その日は必ず来る。楽曲と演奏が素晴らしすぎるので、いつまでも軽べつと冷笑を浴びせられっ放しとは思えないのだ。とはいえ、この『Journey Greatest Hits DVD 1978-1997』によってバンドの再評価が早まるとは思えない。実際、もし彼らの音楽を愛する人々にある種の才能が備わっていなければ、本作に収録されたビデオをじっくり見る気にはならず、その演出に退屈しまくり、装丁(というか、ちゃんと装丁されてない点)に腹を立てる、という結果に終わりそうだ。
しかし、汗だくの男たちがピチピチのジーンズ着用、下着なしという格好で走り回る姿に興味が持てなくても、このディスクには見るべきものがある。MTV時代のノスタルジアが、ピュアでシンプルに顔を出すからだ。「Separate Ways (Worlds Apart)」は、波止場の様子を真似たパフォーマンスと気取って歩くハイヒール姿のモデルをフィーチャー。典型的な「こいつら何を考えてんだ?」路線のビデオと言えるだろう。さらに、初期のバンドの姿を見ることができるのも嬉しい(キーボード奏者グレッグ・ローリーがリード・ボーカルの座を新顔のスティーヴ・ペリーに譲るところも見られる)。この部分では、「Feeling That Way」、「Lights」、「Just the Same Way」といった名曲が矢継ぎ早に登場。本作に収録された曲の多くは、ビデオだけでなくライブ音声でも楽しめる。ロング・バージョンとなって披露されるいくつかのチューン、特に「Who's Crying Now」や「Who's Crying Now」では、ギタリストのニール・ショーンの自由奔放なプレイがさく裂。そして予想外に印象的なのが、1996年の心のこもったバラード「When You Love a Woman」だ。メンバーたちは上手に年齢を重ねてきており、スティーヴ・スミスのドラミングも向上した。ビデオ自体、ピカイチと言える完成度と言える。(Michael Mikesell, Amazon.com)