腐敗した軍隊
★★★☆☆
本書は日本の大学で教鞭をとる中国人教授が北朝鮮兵士から直接聞いた話を書き留めておいた手帳のメモを本にしたもの。このため、やや臨場感にかける場面が多いが章分けが細かくて読みやすい。
内容は、他の北朝鮮関連の内容と同様に悲惨なものであるが、特に軍隊の腐敗振りがよく分かる。軍への配給も不足しがちな北朝鮮では、民家から様々な物を盗むことで何とか乗り切っている場面が多く、イベントがあるたびに農家などへの盗難や襲撃を行う。
本書を一読すると、北朝鮮の崩壊も時間の問題かと思われるが、崩壊寸前に自棄になって奇怪な行動を採らなければいいが…とただ願うだけである。
今後、国際社会のお荷物となっている北朝鮮に対して国際社会がどういった形でソフトランディングさせるかに注目したい。