チャングムにはまり、全54話を一気にDVDで見た１年後のこと。
他に何か面白いドラマないかなと思って手にしたこの作品、もう凄いの一言です。
「本国で最高視聴率65.8％」という売り文句に納得！
ドラマとして、非常によく出来ています。
大ヒットした日本のドラマをいくつか思い浮かべましたが、こちらが圧勝でしょうね。

韓国社会をバサリと切り取って、しかもただ批判するだけではなく、そこに生きる人々を
あたたかい眼差しで描いている。
よくもここまで濃厚に描き込んだものだと感心します。
多少の韓国社会についての知識があった方が面白いとは思いますが、知識がなくても
ガイドブックとして十分に成立するでしょう。
何度訪れても近くて遠い国だった韓国が、ぐっと近くに感じられるようになりました。

韓国語会話のテキストとしても「使える」と思います。
これだけ長時間どっぷり漬かっていたわけですから、ちょっとした留学みたいなもんです。
しかも、老若男女からヤクザまで、いろんな人の会話を聞くことができます。
私は韓国語学習は途中で投げ出した人間ですが、また勉強したくなりました。

長い長い初恋はそれぞれの心の旅でもあったと思います。回復期のリハビリにはげむ姿や自分の体が自由にならなくて苦しむ姿はリアルだったし、ドンパルの深い友情に感動し、頭角を現しひとかどの人間になると同時に復讐心に燃えて表情が険しくなるチャヌ、真実を知ったソクチンとヒョギョンの戸惑いなど見どころがたくさんありました。一部にはちょっと運が良すぎるかなという部分や、好きというより這い上がるために選び矛盾を感じて捨てた道に戻るものかなという疑問も残りますが、苦しみぬいて出した結論とさっぱりした顔をみたらこれで良かったのかもしれません。チェ・ジウとぺ・ヨンジュンの絡みはもう少し欲しかったと思います。

ペ・ヨンジュンにつられて何気に見た作品だが、なかなかどうして韓国の家族感、価値観、1997年の民主化政権前の韓国？が見れて良い。
最初ちょっとつまらなそーと思ったが上記の理由でどんどんほのかにのめり込んでゆける。よくよく考えるとこの健気な一家に試練をもたらす原因は、人がいいけどちょっとアホな姉ちゃんじゃないのか？！と思ったりするが、それも愛すべきキャラクター。

兄弟、夫婦、恋人、親子といった人間愛が全て網羅された物語です。最近の日本人が忘れている人を思いやる心が見えてきます。
何回も繰り返し見ていますが、見るたびに新しい発見があります。
ただ残念なことがひとつあります。
最終話の最後の部分がカットされています。レンタルＤＶＤではあった場面がカットされているのです。そのために、見終わった後の余韻が違います。見る者の想像力を期待するようにしたのでしょうが、監督の意図に反するのではないでしょうか。

　総時間数ほぼ66時間。長い。
　まず頭に浮かぶのは、仕事、家事、勉強、家庭や友人等の付き合いなどを相当犠牲にしてまでも見る価値がこのドラマにはあるのか？ってこと。
　どの主要人物も等分の重きを持って語られるこのドラマ、ペ・ヨンジュンさんだけを見たい人には満足できないかもしれません。（特に前半は出番が少ない。後半は活躍。アクションシーンもあり。）
　ジェットコースタードラマのような派手な展開はないけれど、その代わり、人と人との関わりにじ～んとくるシーンは多い。
　最後の余韻もいいです。とにかく、このドラマ、完走した人だけが得られる「何か」が、確実に残る、と私は思いました。