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良心の自由と子どもたち (岩波新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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教育を 受ける子どもが 最重要 ★★★★★
1.内容
ご存知の通り、入学式や卒業式における国歌斉唱の強制が日本各地で起こっている(た)。ただ、それに反発する教師も、ある局面では子どもにある特定の考え方を強制することがある。このように、子どもの良心の自由は危険にさらされているが、憲法学の議論では、子どもの良心の自由を守るにはきわめて不十分である。また、教育法学における、国家の教育権説、ならびに国民の教育権説、どちらも、教育を受ける立場をないがしろにするものである。このような場合に、子どもの良心の自由を守るには、どうすればいいのかを、アメリカ、ドイツ、日本の事件や理論を参考にしつつ論じた本である。
2.評価
とりあえずは通説的見解を抑えておき、著者の本は批判的に接する(ツッコミを入れてみる)ことをオススメするが、それはさておき、この本で感心したのは、子どもの良心について深く考える姿勢と、バランス感覚(いわゆる日教組的見解を単純に善とはしていない)である。広田照幸さんにも『教育には何ができないか―教育神話の解体と再生の試み』 (春秋社)という本があるが、この本も、教育に何が出来ないかという探求もしており、この点も参考になろう。教育問題をより深く考える上で有益な本だと思うので、星5つ。
教師は権力者か? ★★☆☆☆
本書は、著者の専門的な研究を一般の方にもわかりやすいようにしたものです。思
想・良心の自由や「日の丸・君が代」強制の問題など、教育に関する問題を憲法的
に分析しています。

著者は、雑誌『世界』5月号に「日の丸・君が代」強制をめぐる裁判に関する論文
を掲載したのですが、それが現在、大きな議論を呼んでます。雑誌のなかで著者
は、「教師が思想・良心の自由という基本的人権を口にすること自身が悪い冗談の
ように響く」と言い、教師は国家と同じ‘権力者’だから人権など持たないと主張
します。本書も、細かく読むと同じことが言われています。著者の基本的な立場
は、以上のようなものです。

多きな議論をよんでいる著者の考え方を分かりやすく知ることができる本書です
が、なにが一番子どものためかをよく考えながら読まれることをお勧めします。

因みに、憲法の思想・良心の自由については分かりやすく書かれていますが、教育
と人権のかかわり(特に、教師の教育の自由)についての叙述は、教育法学の通説
とは全く異なるものであることを指摘しておきます。
教育基本法改正が迫る中… ★★★★★
本書は良心の自由という切り口で、
昨今の教育現場で起きている問題を分析し、
あくまで子どもにとってどのような教育が望ましいのかを探ろうとするものです。
題材とされているのは、
いうまでもなく日の丸・君が代の押しつけ、そして性教育などです。

本書は憲法学の教科書でも記述の薄い、
すなわち研究の深められていない、
19条=思想・良心の自由についての思索の鍵を提供します。
また、欧米における良心の自由、そして隣接する信教の自由の扱いについても知ることができます。
さらに26条を巡る国民教育権説と国家教育権説の争いについても、
旭川学テ判決を手がかりに公平に論評がなされています。

本書は多くの法学徒、教員志望者、
そして、子どもにより良い教育を施したいと願う親御さんにぜひ読んでいただきたい良書です。
もっとも、必ずしも容易な議論ではありませんが…。