組長、最後の書か。
★★★★☆
本書における覚悟とは、プロレスラー(あるいは職業人)としての覚悟、ガン患者としての覚悟、還暦を迎えたひとりの人間としての覚悟で、ゴッチ信者として、胃がん生存者仲間としてのフミ氏が聞き役となって綴られた本で、読ませる構成になっているのだが、生い立ちや新日本時代、ゴッチ邸でのエピソードは、今まで出版された組長の本やインタビューで既読であり、新鮮さはなかった。
アングル的な記述については少なく、テロリスト事件でも「やれと言われたからやったまで」と手短にしか記されていないが、ゴールデンの生放送であれを仕掛ける、猪木のような腹の据わったアイディアマンは今後現れえまい、と妙に感心した。
組長は、墓場まで秘密を持って行くつもりだろうが、そこがまた“職人”度を上げ、しびれてしまう。
あとどれぐらいリングに立てるのかは神のみぞ知るだが、全国の組長ファンの為にも、身体と相談しながら勇姿を各地で見せて欲しい。
付属DVDは、ゴッチ師が主役。 指導だけでなく、練習している姿を見られるのは感慨無量。