本物とはこのこと
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Alice In Chainsの7曲入りミニ・アルバム。「アナザー・サイド・オブ・アリス」の邦題を与えられた通り、本来の彼らのサウンドとは違った楽曲が楽しめます。
彼らの楽曲はどこか「けだるさ」のようなものを纏っていますが、このアルバムに限って言えば、楽曲全てが「柔らかさ」や「優しさ」といった雰囲気を纏っています。 1のような静かな曲も7のような躍動感のある曲も棘が全くありません(レインのヴォーカルをトゲっぽいと思うか次第ではありますが)。
「毒々しさ」や「けだるさ」を感じさせる曲を作ってきた彼らがこのような楽曲を作っても全て一級品なあたりは流石。
雰囲気を落ち着いたものにするだけではなく、空気感まで変えてしまう彼らの実力をただ賞賛するしかありません。
本作は本来の彼らに対して逆説的です。したがって、どのような方にも聴いていただけたらいいな…と素直に思えるアルバムです。
★5はそれこそ美しいメロディーにどっぷりと浸かりさえすれば…納得だと思います。
麗しき暗闇のポップソング
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時代の流れの中で「グランジ」という文法に押し込められがちなA.I.C.だが、拙者はあくまでもメタリックなハードロック・グループであると思う。
それまでとは違ったアコースティックなサウンドは大いに驚かされたが、根底に流れる熱い熱いモノは不変で、表現方法が少し変わっただけと解釈したい。
「Nutshell」のような精神的にへヴィな曲あり、ストリングスを伴うインスト曲あり、と多彩だ。A.I.C.の中では色々な意味で「最も美しいアルバム」であり、将に「暗闇のポップソング」である。是非、自分の耳で確かめて欲しい。
レインの死は悔やんでも悔やんでも悔やんでも悔やみ切れない...。
一筋縄ではいかないアコースティック・ミニアルバム
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1と2は重々しく静かなで印象的な曲で、3はストリングスアレンジとうねりのある二面性のある曲。そして4では軽やかなカントリー調でファンに人気のある曲である。特にドラムのショーンの圧倒的な表情の豊かさが素晴らしい。5がストリングスアレンジのインスト小品。6がラウンジジャズの高度な演奏。ラストでショーンがカウントを間違えるのだが直後のメンバーの「今のすげー良かったぜ!!」というやりとりまでそのまま収録して面白い。
実に多彩な音楽性を内包したアルバムである。人気だけでは全米一位は決して取れないのだ。
ジャンルなんて忘れて、ロック好きなら広く聞いてほしい名盤
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ベーシストがオジー・オズボーンのバックだったマイクに代わって初めてのアルバムが、
なんとEP扱いでリリースされ、かつストリングスまで入ったアコースティックということに、発売当時は批評家もファンも驚かされた。
曲作りと録音は約1週間と短期間。ロック音楽の質は、時間と金に必ずしも比例しないということの格好の事例。
なぜか、ビルボードアルバムチャートの1位となり、前作「Dirt」に匹敵する売上枚数をあげたことに、
またまた驚かされたこともよく覚えている。
僕はロックの本質は、音の大小・歪の有無・使用する楽器の種類に支配されるものではないと常々思っている。
でも、プロのバンドでそれを実証してくれる人達は残念ながら少ない。
たとえ、ライブでアコースティックタイムを取っても、所詮楽器を変えて目先を変えただけの場合が多い。
AICは自分たちの音楽の真髄を”どの楽器”でも表現できる、本当の実力を持った稀有なバンドだ。
このアルバムは、あらゆるロックファンに聴いてほしい名盤だと信じている。
歴史的快挙
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この作品はミニアルバムで全米1位に輝いた史上初のものらしいです。
(何のチャートでとか詳しいことはわかりませんが、全米初の快挙らしいです)
当時このバンドがどれ程凄まじかったかを表す出来事の1つですね。
楽曲は素晴らしいの一言に尽きます。
個人的には2が特に好きです。
アリスは基本的にヘヴィなバンドだと思うけど、ミニアルバム2作等で聴けるようなアコースティックな美しさも彼等の魅力の1つです。
アコースティックな作品ゆえにアルバムより多くの人々に薦められるかもしれません。