話題を呼び物議をかもしたアトキンス博士の「低炭水化物・高脂肪ダイエット」で敵と見なされるのはバターではなくパンである。『Atkins for Life』で、著者は、数十年にわたり、低脂肪食に反対する運動を続けている。低脂肪の食事は、高炭水化物の食事という危険を招き、インシュリンを過剰に生産する体にし、その結果、脂肪を増やし、新陳代謝を悪くして太るというのがアトキンスの主張だ。かわりに、カロリーや脂肪量の計算をやめ、新陳代謝や、エネルギー源としての脂肪燃焼の速度を上げるため、炭水化物量の計算をするように、博士は読者にすすめる。彼の提唱する「ケトーシス（脂肪溶解）」が健康的か有害かという疑問が、ベストセラー『Dr. Atkins New Diet Revolution（邦題『アトキンス博士のローカーボ（低炭水化物）ダイエット）』の続編である本書の中心議題だ。本書には、レシピや献立、炭水化物カウンター、プランを継続するための戦略がぎっしり詰め込まれているが、前作ほどの明快さはない。本書は、炭水化物を控えたライフスタイルを始める方法と持続する方法の間で、話題が行ったり来たりする。また、満足な結果を出した人々の写真や、アトキンスブランドの商品の売り込み口上など、宣伝が多い。それでも、感謝の言葉や、体重を減らしコレステロール値を下げエネルギー量を増やすことについての論考などを見ると、アトキンスの業績について異議をとなえるのは難しいだろう。彼は自分の理論を実践で証明しているのだから。（Barbara Mackoff, Amazon.com）