自分でもできそうな気がします。
★★★★☆
山林の荒廃が言われて久しい。
環境保全意識が高まる一方で、輸入木材に押されて間伐もままならず「モヤシ林」が増えています。
何とかならないかと思う人たちに対して、この本は山を再生する具体的な技術と知恵を豊富に示してくれます。しかも、手のかからない方法で。
例えば樹皮の下にある形成層をチェーンソーで切断する方法「巻枯らし」は、切り倒す通常の間伐に比べて遥かに簡単そうだし、切り倒した場合でも搬出せずにそのまま置いておいたほうが獣害が防げるという。間伐材の価格が安くて採算がとれないなら、それなりのやり方をすべしというのです。まさに発想の転換、目から鱗が落ちました。
大内氏の緻密でかつ分かり易いイラストも魅力的です。以前東京都日出町の木材喫茶「きりん館」で手にした絵葉書と似てるなと思ったら、やはり同一人物でした。
林業とは縁のない私でしたが、山の手入れがしてみたいと思わせてくれる一冊です。惜しむらくはカラー写真・イラストが少し欲しかった。