才能なし
★☆☆☆☆
もともとがフジテレビの安手のオムニバスドラマの中の大して面白くも無い一篇が極一部で変にカルト的な人気を得てしまった為何をとち狂ったのか映画化までされてしまったある意味怪作です。サイキック物の映画と言えばデパルマのフューリーやクローネンバーグのスキャナーズなどが有名ですが大友克洋のアキラなどは完全に影響下にあります。原田真人の菊池桃子のテラ戦士なんていうアイドル映画もありましたね。もともと飯田譲二自体があまり才能がある訳じゃないので今作もこれらの作品に比べて全く面白くありません。フジテレビの作る映画なんて所詮こんなもんでしょう。開局五十周年記念作品のアマルフィ女神の報酬も本当に酷かったし。
主演の2人の存在が与える説得力
★★★★★
以前から主演の二人が好きでしたので、たまたま友人の家になったこの映画のビデオを拝見して、
彼らが全国的な人気となったきっかけであるこのNIGHT HEADというシリーズの劇場版を
初めて見ました。血がたくさん出てきて怖い映画ではあったのですが、残酷さではなく、
悲しみとして表現されていましたので、悪趣味というものではなく、何よりも豊川さんと武田さんの
存在感と演技力の高さがこの作品のストーリーそのものにリアルな説得力を与えているかのように
感じました。
実際に人間は脳の機能のごくわずかしか使用していないと言われていますので、
この物語が示す人間の未来の可能性は、単に空想的な超能力というよりも、
平和の世界を未来の世代のために実現していくための方向性を示しているようにも感じて、
なぜこのドラマが多くの人々の共感を得ていたのかが分かる気がしました。
もう一度鑑賞したいと思い、さっそくこのビデオを購入させて頂きました。
サイキック物に終わらぬ奥深い何かがある・・救われたいのか?
★★★★★
この映画に効し難く引き込まれていくのには、いくつかわけがある。
ひとつは、超能力者という、人と違う宿命を背負った兄弟という設定、しかも演じているのは豊川悦司と武田真治という、哀愁を帯びた、女性的繊細さがありながら超俗的魔性も秘めているアンバランスな魅力を持った男優たちであったこと。
ふたつめは、本来ならフィクションでしかない登場人物たちのサイキックパワーというものが、よく練られた物語の展開においてまさにリアルな戦慄となって印象づけられたこと。
三つめは、荒唐無稽になりがちなこの手のサイキック物にしては、人間や宇宙の神秘と真実に触れるかのような物語の構成力と主題の奥深さが感じられたこと。
映像の表現力とさまざまな仕掛け、そしてサウンドも見事であったことは言うまでもない。
兄の破壊的パワーの凄さを示すために、あのような惨劇の後の光景を見せる演出の巧みさ、首だけが激しく震える異人たちの不気味さ、少女の恐るべきパワーの犠牲になってプールに浮かびあがる女子生徒たち、全体的に音の挿入を控えることでかえって得体の知れぬ何かを常に感じさせる絶妙の音響効果等・・・・視覚、聴覚、そして心に直裁に迫ってくる何かがこの映画にはある。
それは、おそらく、「魂の救済」ではなかろうか?
主人公たちと同様、わたしも救われたいのだ・・でもだれに救ってもらうのか、それがわからないから、さすらうのだ・・・人を支配したり、支配されたりしながら・・・。
印象薄
★★★☆☆
結局、ドラマの映画化というのはファン対象なんだと思いました。でも「ケイゾク」よりは親切か。しかし、ファンではなくとも楽しめたデビット・リンチの「ツイン・ピークス ローラ・パーマー 最期の7日間」ほどの個性もない感じ。飯田譲治監督の映画は大味でイマイチ印象に残らなかったりする。さすがに血まみれのカフェのシーンは楽しめましたが。