エスパー能力・古代文明・オーパーツ系・SF・精神世界と、あの頃興味持っていた要素がふんだんに盛り込まれた作品だったんですね。
豊かになりすぎ、個人主義のもと、精神的に希薄になったバブル期以降の、社会問題と警鐘を唱えた作品だったと思いました。
それにしても飯田譲二は超常現象・精神世界をうまく取り入れたもんだ。
なんたって、2万年前のインパクト神話も取り入れてるんだから。
ここからが本題。
物にとらわれすぎている現代の物質文明を乗り越え、物はなかったけど精神的に豊かだったかつての精神世界を取り戻し、ニュータイプの出現をもって、新たな文明へと「変革」にたどり着こうとするのが、この作品の趣旨。
ガンダムでの「ニュータイプ」と同意語で、現人類とは違う能力を持ち合わせた人類のことである。
そこでは「ニュータイプ」による「変革」を否定し、現状維持を望む者との対立が生じる。
明治維新や大学闘争の60年代頃は、気概を持った者たちがいて、現状打破を実行するパワーを持ち合わせていたが、80年代以降の、とくに90年代は「しらけ」社会、すなわち何をやってもどうせ変わらない「あきらめ」が浸透し、「改革」なんてありゃしないと思ってしまった00年代に通じるものがある。
そして最終話に近づくにつれ、意識は肉体にとどまる必要はないと訴え、魂のみが四次元をさまよっていたり、ネットワークに入り込んだりと、91年発表の攻殻機動隊や、95年発表のエヴァとのつながりを感じるストーリーとなっている。(ナイトヘッドは92年発表)