目のつけどころ が違う
★★★★☆
着眼点が素晴らしく、大胆で興味深い本。
教訓って何だろう。
リーダーとしての発想を変えることか?
信念に裏打ちされて徹頭徹尾やりぬくことか?
相手に徹底的な恐怖を与えることか?
世の実相にせまるご意見であろう。
掲載された写真から窺い知る“大将”は、
調和のとれた人格と合理的な方のように見える。
忘れてはならない硫黄島
★★★★★
当時の日本軍の常套手段であった水際撃滅作戦をとらず、地下陣地をつくって
地上の米軍に徹底抗戦した栗林忠道の独創性。この独創性はアメリカ駐在経験
など広く世界を見てきたことの影響もあるのであろうか?
海軍の山口多聞、日露戦争時の秋山好古など独創的といわれる指揮官にはやはり
海外経験がある。
「予は常に諸子の先頭にあり。」と最前線である硫黄島にすすんで赴き、部下と
寝食を共にし、短期間で人心を掌握した。その人格、能力、日本人的潔さには
素直に敬服するものである。
小室氏の「硫黄島の犠牲のもとに今の日本の経済成長が成り立っている。」という
言はいささか極論ではないかとも思うが、硫黄島の存在すら忘れられた今日、
これくらいの発言をしたほうが良いのかもしれない。
国の為に勇敢に闘った方々のおられたことを誇りにし、歴史にとどめ、
その英霊を慰めていくのが私たちの務めではないでしょうか?
硫黄島の真実がここにあります
★★★★★
小室直樹氏の鋭い視点がここにも満載です。硫黄島は戦後日本の発展を支える死闘だったことを知りました。氏の論点からすれば、日本に国家戦略があれば先の戦争も異なった展開があったかと思います。日本人は歴史からもっと多くを学ばねばならないでしょう。それにしても、硫黄島という守るに不利な場所での死闘は日本人の誇りであります。
兵器は使うだけが能じゃない!(良い事言うなぁ〜)
★★★★★
さすが小室節ですね。「大東亜戦争こうすれば勝てた」や「甦る大東亜戦争」に並ぶ良い本です。これらの本に批判する人は彼の「ソビエトの崩壊」という本を読んでからにしてほしいですよね。「武器は使うだけが能じゃない」とか、「これだけ無駄な作戦ばかりやってたら勝てる戦も勝てない」など、極めて現実的に客観的に合理的に何故負けたのか、何故そうなったのかを説明している。こういう平易で奥の深い解説がとてもとても役立ちますよ。
着想は良いと思いますが、惜しい本です。
★★★☆☆
大東亜戦争時の硫黄島での戦いの位置ずけと戦後への影響について論証しようとした本。
日本人が歴史に学んで教訓を生かそうとしていないとの指摘はまさに其の通りだと思いますし、私自身も昨年、
硫黄島の映画を見るまで硫黄島での激戦のことはほとんど知らなかった。
その意味では、こうした本が出たことはありがたいことで、読みやすい本ですが、内容が断片的で著者の事実
誤認や強引にこじつけているのではと感じさせる箇所もあり、ある程度基礎知識がないと理解しづらいと思います。
「硫黄島と大東亜戦争について研究すればする程、日本人の長所と短所が、どちらもまざまざと見えてくる
はずである。」との著者の指摘は其の通りだと思いますが、そのためにはこの本よりも他の本を読んだ方が参考
になる気がします。 惜しい本です。
駄作
★☆☆☆☆
浅い分析によって、物事を断定的に書いている。事実の誤認もあり。
明快堂書店
★★★★★
硫黄島での戦死者は日本軍1万9900人、戦傷者1千33人、米軍の死者6821人、戦傷者2万8686人、日本兵は殆どが死にましたが、戦死傷者の数では米軍の方が多いのです。圧倒的な兵力の差でありながら、この“結果”は米国人を驚かせました。兵士一人1日 1/2リットルの水しか与えられずこの壮絶な戦いを30日余りにわたって戦ったのは今の世から思えば奇跡的な偉業でしょう。司令官であった栗林忠道中将(死後、大将)が如何に有能な戦略家であったかがわかります。著者は硫黄島における日本軍人2万名の「死」が後世、特に米国の戦略および日本国に対する態度にどれほどの影響を与えたか、について諸方面から記述します。読みながら、栗林中将の無念が伝わってくる名著です。お読みください。