評価が難しい作品だけど、面白かった
★★★★☆
面白かったと思う。でも評価が難しい作品だな。体裁はミステリ仕立て。物語が進むにつれ、橿原の謎が明らかにされるのはスリリング。
設定自体は、時間SFのようなところもあるが、こちらの謎は謎のまま。幻想小説のようでもある。
それ以上に戦争モノの匂いが強い。世が世なら、天皇制批判とも取れる発言もあるし、あるいは、日本の戦後に対する痛烈な批判もあり、かなり重い小説だ。
このあたり、同評価していいのか難しい。でも、小説としては面白かったよ。それが一番。
傑作です。それも大傑作。
★★★★★
今、読み終えて、ただ、ひたすらに良かった...。 現在に生きる「ニホンジン」として向けられたこの鋭い眼差しをこんなにも一級のエンターテイメント性をもって一気に読ませる本作品は近年の文学界において傑出した完成度だとおもいます。 作品の性格上ネタバレは厳禁でしょうから、多くを語りません。 ああ、おもしろかった。
不思議な作品
★☆☆☆☆
前編までは推理小説タッチに惹かれて読み進んだ。もっとも前編後半あたりから何となく妙な感じがし始めたが・・・。そして後編、最後まで読んだ結果の感想は・・・、これって推理小説?純文学か??そもそも何かの雑誌のレビューに前述の評価があったから読んでみようと思ったのだが。そういえばシェイクスピアのマクベスなんかに似たような感じの部分もある。インディアナ・ジョーンズ、“失われたアーク”の雰囲気もある。私の感想としては、推理小説のように進行して、夢枕獏氏的魑魅魍魎の世界で締めくくった不思議な、不思議な物語です。