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土の科学 (PHPサイエンス・ワールド新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
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土の消滅は文明の消滅 ★★★☆☆
全ての生物は土によって養われているが、
私たちは土のことをあまりにも知らない。

食物連鎖の基礎であり、我々が生きていく上で欠かせない土なのだが、
いつどのようにして出来たか、どのようなものなのか、
むしろ土を軽んじ疎んでさえいるのではないか?

肥沃な土には1gに数億もの微生物が生きている、
土とは岩が風化した無機物と、生物の糞である有機物が混ざったものである。
そう糞なのだ。

植物が生育に必要な窒素、リン、カリウムは土壌中の微生物により合成される、
現在は工業的窒素固定やリン鉱石、カリウム鉱石により施肥されるため、この微生物はひどく扱いが悪い。
作物の大量生産は物質の循環からはずれ、有限な資源を切り崩しながら生産されている。

世界では塩害・砂漠化・土壌侵食、などにより土が消えつつある。
土は年間1ミリしか造られない、何万年もかけて造られた土を、無限の資源と勘違いしてはいけない。

多雨地域であるモンスーンアジアは酸性土壌になりがちで、
畑作には不向きなため水田(稲作)がさかんになった。
土は文化の基礎でもある。

土の消滅は文明の消滅を意味する!
「土からものを考える視点」に貫かれた本 ★★★★☆
 京大農学部で「土壌学講座」を担当していた現在京大名誉教授の著者が、一般向けに土壌の重要性を解説した本。
 「土からものを考える視点」が全編を一貫している。

 土(土壌)はもちろん農産物を育む基盤であるが、農業という視点だけでみていては、土のもつ意味を理解したことにならないと著者はいう。
 著者「まえがき」で、孔子のコトバを引いている。「土が植物を育て、それによって動物を養うだけでなく、生き物たちが死んでまた還りゆくところもまた土であること、さらに土を通った水が美味しい泉となることまで良いことをしながらも、それを誇らないゆかしさ」。紀元前一世紀のある中国人が書いた本にあるという。
 土がどうやってできたのか、土のなかはどうなっているのか、なぜ日本を含めたモンスーンアジアでコメ作りが定着したのか、そして土のなかに生きる微生物について、土のなかの栄養とその補給、「土壌浸食」や「砂漠化」といった土の危機、耕作用の家畜を飼わなくなって以降の近代農業が土にとってもつ問題、水耕栽培の限界など、広範囲のテーマについて、自ら語らない土にかわって著者がわかりやすく説明してくれる。
 土壌は、もっぱら農業や園芸の対象であるが、同時に地質学でもあり、微生物学でもあり、植物学でもあり、動物学でもあり、化学でもあり、地球環境問題でもありと、かなりの広範囲にわたる総合科学なのである。

 「土からものを考える視点」に貫かれたこの本は、ふだんあまり意識していない観点からものをみるための、格好の一冊となっている。
 「そういえば土を踏む生活になっていないなあ」と思う人は、ぜひ目を通して欲しい一冊だ。
まさに「縁の下の力持ち」。「土」の偉大さに気づくきっかけにして欲しい。 ★★★☆☆
生き物好きで生物多様性保全などに興味・関心のある人でも、土壌まで深く勉強している人は少ないだろう(誰よりもそう書く私がその一人だが(^_^;;)。単に「土の薀蓄本か。」などとは思わずに、私と同じような人間が本書を読むことで、この地球の生命圏の維持に、地表わずか数十cmほどの土壌が欠くべからざる重要な役割を担っていることを再認識し、遠い世界の果てから私たちのすぐ身近な場所においても、その大切な土壌が危機に晒されているということに、もっと注意を向けるようになれば良いと思う。
>「植物界」、「動物界」、「鉱物界」と並んで、「土壌界」がある
という本書の表現は、決して分かりやすいものではないと思うが、要はそれほど、我々が生きる世界にとっての基本的要素であり、それと同時に、多様な存在だということだろう。

ただ正直、普通に読んで「面白い!」かと言うと疑問はある。決して専門家向けではないが、やはり普段の自分が「土」に十分な関心を向けて来なかったためか、今ひとつ身近には感じられなかったのだ。その点は残念だが、これは著者の責任ではなく、むしろ読者である私自身の問題だと思う。

まあとにかく、一読後、「まずは近所の土手でも公園でも、身近に残された土を掘り返して手に取ってみなくては…。」と感じた次第。どこにでもありふれて、何の特徴もないように思っていた土でも、その土が土としてきちんと機能するためには何千年もの時間が必要なのだと知れば、改めて現在のこの環境の「有り難さ」を実感することが出来るのではないだろうか。

その貴重な土壌にコンクリートやアスファルトでフタをして、挙句「三面コンクリ貼り」の川で山の土を海へと垂れ流してしまうようでは、たださえ資源の少ない我が国が、貴重な「土壌という独自の天然資源」を、自ら無駄にしているようなものだ。そういうことも改めて考えた。本書に感謝したい。
土に関する入門書 ★★★★☆
土にまつわるさまざまな問題を、多様な視点から解説した新書。
土壌学はもちろん、地球環境 気候、農業、動植物学などの科学的な視点から土をわかりやすく解説する。
土の成り立ち、稲作と水田、これからの農業など、考えさせられることが多かった。
入門書的な内容なので、誰にでもわかりやすい内容となっている。