土の基本的な性質を調べる２５の実験が紹介されている。各実験の説明や解説などもやさしく詳しく書かれている。個人的には、家庭用品を利用して簡単にできるのかと思っていたが、実際には、塩酸、クエン酸三ナトリウム、BTB液、硫酸アンモニウムなど、一般の人では入手困難な試薬を必要とする実験が２５のうち５あった。また、家庭用品を利用する場合でも実験準備にかなり時間がかかりそうなものも多く、それほど「やさしい」とは感じなかった。そのため本書は、小中高の理科の教員用という印象を受けた。それでも、詳しく紹介されている実験工程と解説を読むと、なるほどとためになることも多い。

　高校生以上の人，中・高校の教師，環境問題に関心のある方にお薦め。
　土を調べる中で，地学的なことはもちろん，生物について，化学について理解が深まっていく本。
　簡単にできる実験も紹介されていて，自分でやりながら読むとより理解が進むと思う。
　やたら環境破壊がどうのと危機を煽る本ではなく，クールに科学的に解説してくれるところに好感が持てる。