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フランスの文化政策―芸術作品の創造と文化的実践 (文化とまちづくり叢書) (文化とまちづくり叢書)

価格: ¥3,675
カテゴリ: 単行本
ブランド: 水曜社
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待ち望まれた本、しかし・・・ ★★★☆☆
文化政策やアーツマネージメントに関する論考は、英語で読めるものばかりが重宝されてきた(日本語で書かれた文献は、英語からの翻訳かそのさらに借用が多い)。フランスの文化政策に関して日本語で読める文献は、その重要度に比しても少なかったので(このほかにイヴ・レオナール編『文化と社会―現代フランスの文化政策と文化経済』があるが情報はいささか鮮度を失ってしまっている)、この類の本が出ることには大きな意義がある。内容はあとがきでも言われている通り、重複があるがしかし網羅的であり、豊富な統計資料も手伝って、きわめて充実している。分析はフランスの現状を言い当てており、非常に説得力がある。

しかし、翻訳のレベルはかなりずさんである。かなり緻密に訳されている『文化と社会』とは大きな落差がある。日本語に訳しにくい表現は英語さらにカタカナ語に置き換えただけであり、一見、きちんと訳されているように見えるだけである。本文中に括弧に入れて付された原文のフランス語表現は誤植だらけで、これなら何も付さない方がよかった。断じて、この本の中のフランス語表記は信用しないことである。これほど初歩的なことをなぜ最後にきちんとチェックできなかったのか? 巻末に対訳表が付されているが、ここにまで明らかな誤訳が複数含まれており、これまたわざわざ対訳表をつけた理由を疑う。そもそも、筆者のファーストネームのXavierはグザヴィエと濁るはずなのだが、それがクサビエになっているのは・・・ はじめに補助金か何かの申請書の中でそのように間違えてしまったからか??? 研究者向けの本としては、相当にお粗末な作りになってしまったことは、先に述べた本書出版の意義が大きいだけに、悔やんでも悔やみきれないところである。それが本書から星を二つ奪う結果になっている。