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ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

価格: ¥864
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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好みの問題ですかね? ★★★★☆
上下巻読みましたが、それほど感情移入できませんでした。登場人物が表面的すぎます。事件そのものは、1年前行方不明になった双子の妹を、兄が探すというもので、妹の事件をきっかけに父も姿を消し、母はドラッグと酒におぼれて、家庭は崩壊状態。母にまとわりつく、街の有力者や、事件を担当するハント刑事に13歳のジョニーがけなげにも向かって行くところが、読ませるところなのでしょう。
ジャックとの友情も大切なテーマでしょうが、事件の解決で、ここまで追い詰められた加害者家族の心の闇を、ミステリーとは別の角度で考えさせられました。
ジョニー少年は生き生きと描かれていますが、もうひとつ星が足りないのは、好みの問題なのでしょう。
ジョニーは“幼い頃のわたし”、“今の私”がジャック ★★★★☆
主人公ジョニーの妹は必ず生きている、助けを待っていると信じて疑わぬ
一途な思いと行動に読者は、心を揺さぶられます。

主人公の親友であるジャックは身体的ハンデを兄や父親からも疎まれる日々。
内面的にはワルになり切れず、親友のジョニーに重大な告白をする勇気を持ちません。
この二人の関係は、疑うことを知らない少年の時代と裏切りや友情、良心の呵責で苦悩する私たち大人との
対比とも読み取れます。
つまり、ジョニーは“幼い頃のわたし”で、“今の私”がジャックではないかと。

主人公のジョニーに対し施設に収容されたジャックからの手紙の文末には「ジョニー、お願いだ。
いまもおれたちは親友だといってくれ。」と毎回、締めくくられています。
エピローグでのジョニーの成長した姿にご注目下さい。現在が過去を許していくのは神の特権ではなく、
人間の業であると教えてくれます。
献身。一途。一徹。 ★★★★★
物語は妹を誘拐され家族が崩壊してしまった13歳の少年ジョニーとその担当主任刑事のハントの二軸で展開していきます。事件にのめり込むあまりこちらも家庭が崩壊状態。家庭が崩壊したときの大人の有り様、13歳の受け止め方が対比されているように描かれています。ハントが神経症的にのめりこみ被害者の母に個人的な感情を持って苦悩するのに対して、妹が帰ってくると頑なに信じて行動を起こすジョニー。母親は「あきらめる力をおあたえくださいますように」と神に赦しを乞うことしかできませんが、彼の信念は変わりません。

13歳の少年がどうしてこれほどの信念を持って行動することができるのでしょうか。壊れまくった大人たちに囲まれながらも軸をぶらさず考えられるのは、ネガティブな未来を考えない純粋さ、危うさを感じました。登場人物もそこそこ多く、残り少なくなる頁をめくりながらこの風呂敷をどう収めるんだ、と思って読んでいましたが見事な手際でした。

2010年年末には必ず年間ランキング上位に上がる作品だと思います。お奨めです。
好きだなあこの人 ★★★★★
相変わらずのリリカルの嵐!
叙情派切ない系ミステリの王者ジョン・ハート。
もう大好き、好き過ぎます!

出だしちょっともたつく感じがしましたが、よく考えると単に僕が夏バテだっただけかもしれません。
終わり方もいい、泣ける、僕は胸が17歳の恋する乙女のようにギュンギュン鳴りまくりましたよハート先生!
内容はどうだっていいの!おすすめなの!読んで!読んでー!

と強烈にお勧めしますが、ミステリ仲間の母親(76歳)に読ませたところ「まあまあね」という事でした。
・・・・いや、えーっと リリカル系が別に好きではないリアリストには普通にお勧めします と補足しておこー。
あッ〜僅か一晩で読み終わり。もったいない。 ★★★★★

昨晩10時頃に読み始めて、今朝3時頃読了。途中で止められなくなり、久々の一気読みでした。
味わいは、レヘイン「ミスティック・リバー」+「愛しきものはすべて、去り行く」x キング「グリーン・マイル」。

これまでも数多くの小説の題材とされた小児拉致誘拐物として、犯人の正体も含めて、
ありがちな展開なのだが、主人公にわずか13歳の中学生を堂々と据えて、拉致物のストーリー展開とは別に、
少年の意地の戦いをファンタジックに(「グリーン・マイル」風)、それでいながら犯人に纏わるどんでん返しを用意した
サーヴィスの行き届いたエンターテェインメントに仕上げて貰えれば、多少の都合の良さには目を瞑らざるを得ない。
(主人公が偶然、都合よく、脱走犯、犯人すべてが一堂に会する事故の目撃者になる、というのは有り得ない?!)
ジョニーって、ガキなのだが、高倉健のヤクザ映画の様な、イーストウッドを子供にした様な格好の良さ!
なにしろ母親をひたすら守り、悪い奴には拳銃片手に殴りこみ?!

それにしても、作者ジョン・ハートって、一作目はそれほどでもなかったのだが、二作目(「凍てついた墓碑銘」に似た物語)
から、いっぺんに爆発して、ついにキングに挑戦しはじめたのか?