ちょっと脇キャラが主役食いすぎちゃったかも(苦笑)
★★★☆☆
三十二番目の初恋 (幻冬舎ルチル文庫)のスピンオフ。
一見チャラ男ちっくだけど肝の据わった大人な店長仁科と、逆に飄々淡々として何も動じないように見えてやっぱりまだ若さや稚拙さが残る陽平。
何でも自分でできると思っている陽平を、実は密に仁科が背後で支えている。
そんな人間構図が面映ゆいというか、可愛さを感じさせるお話でした。
仁科に面倒をかけまいと必死で自分で解決しようとする陽平はけなげそのものだし、そんな陽平の自分を頼ってくれない姿に静かな怒りを燃やしている仁科は全身で「陽平好き!可愛い!」と訴えている。
でもお互いにお互いのメッセージが読み取れてないんですよね〜。
そのあたりがもどかしいというか、読み進める原動力。
ですが・・・。
(爆笑)かなり脇キャラが出張りすぎ!
「三十二番目の初恋」の梶山×瑞原が中盤戦から陽平と行動を共にするのですが、半分梶山×瑞原がメイン?てな雰囲気もあり。それはそれでこの世界が好きなら問題ないんですが、逆に仁科が隅っこに追いやられた感があって、いいのか?と本に突っ込んでしまった。
まあ、作者自身もあとがきで似たようなことを書かれていたので自覚はあったようですが・・・。
抱き合わせで仁科×陽平ショート1本と梶山×瑞原ショート2本が収録されていて、本編の後日を補完しています。
エロは全体的に薄め少なめ。
エロ抜きの人間関係そのものに焦点を絞っているのも好感が持てた一冊。
一冊で二度おいしい・・。
★★★★☆
「三十二番目の初恋」のスピンオフ作品です。
見習い美容師の相良陽平が、横暴な店長の信田の店をやめて、腕は確かだけど、ホモらしい、という噂の店長、仁科有伍とお酒の飲みすぎで、うっかり寝てしまいます。
あまり物事にとんちゃくしない、陽平は「酒の上での間違いは誰でもあります」と、しごく冷静。
と、なんでもなかったことにしちゃおう、と思うのですが、いつもはすっぱり割り切れるはずが、なかなかうまくいきません。
その後も、仁科に誘われるとつい・・。遊びなんだろうなぁ・・。
何で俺にちょっかい出すんだろう・・?
いつもの自分ならサバサバ聞くのに、何故?
なんで拒めないんだろう・・?
と、グルグルです。
おまけに前の店の店長信田が、一緒に勤めていて、お世話になった瑞原想を呼び戻せ、としつこくからんできます。
この信田がうっとうしい!いやがらせが度を越していて、いいかげんにしろ!と言いたい。
まぁ最後に仁科と梶山のみごとな連携プレーで警察につきだしてくれたので、溜飲が下がりましたが・・。
椎崎さんの作品は、受けさんが我慢強く、攻めさんに迷惑掛けてはいけない!と、一人でがんばっちゃう
キャラが多いんで「そんなに一人で頑張らんでも、ちったぁ相手に甘えてもバチは当たらんぞ!」
と背中をド付きたくなるんですが、陽平君は、わりとポンポン自分の意見を相手に言ってて、今回はストレス少なかったです。
前作の瑞原想と梶山先生も出張ってくれて、お話4こも入ってます。
お買い得だと思います。
椎崎さんのお友達も言ってますが、いつもの作品とはちょっと違う・・と思います。