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ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
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アンドロイドは羊の夢を見るか? ★★★☆☆
 石黒氏も作中で言っていますが、石黒氏の人型アンドロイド、ジェミノイドや本田のアシモはそれ自体直接的には、なんの役に立つものではないそうです。確かにアシモはホンダのCM以外での使い道を見たことがありませんね。これらの研究はロボット自体というよりそれに付随した技術研究が他の用途に転用されて利用されることが多いそうです。しかし彼自体はその転用先を考えて開発を進めているのではなく、あくまで使い道のないアンドロイド研究をしています。直接的には役に立たない技術を純粋に楽しんでいる筆者はある意味うらやましい環境にいるのだと思います。

 そんな仕事をしているからこそ、ロボット作製をとおして「人間とは何か?」という哲学的な問いに導かれるのでしょう。究極に進んだ科学技術の中で、人間とロボットの違いというのはますますあいまいなってきています。人と見分けられないヒューマノイドなんてまだ先だと思っていてもA.I.を含め技術的には近くに来ているようです。

 本書では取り上げられませんでしたが、ロボットの苦悩を題材として優れていた作品としてPLUTO (1) (ビッグコミックス)があげられるでしょう。姿かたちはそれぞれですが、そこには人の心を持ったロボットが受けるであろう試練を見事に描いています。
アンビバレンツの心地よさ ★★★★☆
アンドロイド研究の第一人者がSF映画をモチーフに自らの研究の
最前線を語った一冊。軽く、新しい。

学際という言葉を飛び越えて研究領域をすら創造してきた著者が
深めてきた年来の哲学的思索が語られ、想像の逞しい翼が真骨頂の
SF(映画)の文脈と重なるところに、未来社会への期待が
見出される姿はかなり面白い。

研究者としての堅実な歩みの中で、不器用かつ強靭な形で進められて
きた思索というトンネルを抜けると、その先にはSFの軽やかな創造が
先回りしていたというのは何という皮肉であり、何という快挙
だろうか。評者には、この皮肉なすがすがしさ、すがすがしい皮肉は
かなり心地よいものに映った。