私も含めて大半の方が必要とされているのは、大衆を動かすスピーチの仕方ではなく、日々直面している会議や人前でのスピーチの仕方ではないかと思います。スピーチについて書かれている本と聞くと、テクニック重視で難しい印象を持っていましたが、具体的ですぐに実践できる内容はとても勉強になりました。また、シンプルな表現でわかり易く書かれていて良かったです。人前で話すことが苦手なんだけど、どうしたらいいのだろうと悩まれている方、読まれてはいかがでしょう。

スピーチに関する類書が多い中で、本書が違うのは、カリスマスピーカーに焦点をあてるのでなく、真面目でシャイな、我々、日本のビジネスパーソンに寄りそっていることではないでしょうか? デールカーネギーの日本代表であった期間、2万人にもおよぶ、日本の卒業生を送り出してきた著者だからこそ、このような視点をお持ちなのでしょう。大部分の読者にとって、本当に必要なのは、今晩の宴会や明日の朝礼での処方であり、心構えです。この本は、私同様、そのように悩めるシャイなビジネスパーソンの特効薬となるでしょう。