全編下ネタのオンパレード
★★★☆☆
この作品は1968年から71年にかけて「週刊文春」に連載された小説を文庫本化したもので、4部作の第1作に当たる。著者のお色気小説のジャンルでは当時よく売れて代表作になった。その後横山まさみち氏が漫画化し、これも当たった。
主人公稲村金四郎に託した著者の男のロマンを描いたもので、この「歩の巻」はその取っ掛かりの部分であるが、全編下ネタのオンパレードである。今の性風俗の描写からすれば、他愛のないもの、古臭いものに見えるが、当時の水商売で働く女性の気質を知る上では現在では貴重な資料になっている。