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黒の試走車 (角川文庫―リバイバルコレクションエンタテインメントベスト20)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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昔がわからないとつまらないかも ★★★★☆
1962年の梶山季之の企業小説

自動車開発の産業スパイを題材に時代背景を色濃く残す
内容です。いまでは寝台列車のみにその名をのこす、
特急さくらと社運をかけて、開発した故障が少ない新車が
謎の踏み切り立ち往生し列車事故を起こし、情報担当者も
謎の死を遂げることから話は始まります。

トリックは意外と簡単ですが、そこに至るまでの会社間の攻防が
面白く、また時代背景を色濃く残していること、また梶原季之という
作者の面白さもあります。帯に書いているように傑作とは思いませんが
ドラマになるのがわかるような気がします。
さすがに古いな ★★★☆☆
まー、さすがに今読むと内容が古い!
メカニズムをテーマにしたフィクションはそのメカの進歩にしたがって陳腐化する宿命にあるのは常なのでテクノロジーの古さを責めるほど自分はガキではない。
でも、ライバルメーカーの試走中の事故を盗み撮りしてそれを週刊誌に売ったり、事故車両を表通りにさらして「○○社のクルマはこんなに危険なんです!」なんてキャンペーンを貼ったら辱められた企業よりもそういう陰険な行為を仕掛けた方が糾弾されるんじゃないかと?
たかが自動車ディーラーごときが愛人を囲うというのも「何様のつもり?」ですし。
「昭和30年代はこういうやり方でも通用したんだな」程度に考えれば読み終わった後でも後悔はしないでしょう。でも、この小説みたいな事が今でも通用すると思ったら大間違いだと言う事は、さすがに今念を押すまでもない事ですね。