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私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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失敗かな… ★★★☆☆
「真相」に至るまでは、結構いいのである。「芥川賞」とか「学習院女子短期大学」とか、実在のものの名をはっきり出しているのが小気味いい。しかし「ホスピス」については、意味が分かっていないのではないかと思ってしまう。
 そして、ああこのどんでん返しは、やっぱり失敗で、それまでの読者の期待の地平を陥没させてしまい、突如としてリアリティを失わせる。数多くの作品を書く作家が、いっぺんやった失敗ならいいのだが、寡作な作家の直木賞受賞作なだけに、この失敗は大きいなあ…。
これが本当のミステリーだと思います。 ★★★★★
原りょう2作目にして、1989年の直木賞受賞作。
当時初めて読んだ時の衝撃を良く覚えている。
これはまぎれもない日本のチャンドラーだ。
そう思った。
そして今読み返してみても、その感想は変わらない。
といってもチャンドラー自体はもう20年以上も読んでいないのだが。
沢崎が依頼人の家を訪れると、どこか雰囲気が違った。
その家庭では、バイオリンの才能が豊かで、将来を期待されている少女が誘拐されていた。
そして、そこには誘拐犯を待つ警察がいた。
沢崎はその誘拐犯の一味と間違えられる。
訳もわからず事件に巻き込まれ、身代金の受け渡し役にされてしまう沢崎。
とあるファミレスの駐車場で殴られ、まんまと身代金を奪われてしまう。
それでも、着実に、淡々と事件の核心へ近づいていく沢崎。
犯人はこいつか、と思ったその矢先。
読者を待つ大どんでん返し。
といっても、騙された!というトリックではなく、とことんオーソドックスな展開。
そう、とことん「オーソドックス」。
だから読んでいて気持ちがいいし、落ち着ける。
ミステリーとはこれほど面白いものなのか。
いや、ハードボイルドだから面白いのか。
その両方だ。
文体がしっかりしていて、キャラクター構成が確実で、ストーリー展開が緻密で隙がなければこんなにすばらしいミステリーが出来上がるのだ。
ただ難点としては作者が寡作であること。
しかし、それなりの作品を多数生み出すよりも、原りょうには傑作を生み出す寡作の作家のままででいていただきたい。

勝手な読者の意見です。
すばらしい ★★★★★
ここ数年読んだエンターテイメント系の本の中では一番面白い。このような作品に出会えた事をうれしく思う。
まだ原りょうを知らないのなら、すぐに読んだほうがいい。
巧みなストーリー展開 ★★★☆☆
私立探偵の沢崎は電話で依頼を受け真壁邸を訪問するが、待ち受けていた刑事たちに
いきなり誘拐犯として逮捕されてしまう。いやおうなしに誘拐事件に巻き込まれていく
沢崎。だが、この誘拐事件には複雑な事情が隠されていた・・・。

この作品では、最後まで犯人の姿は見えてこない。動機もはっきりとはしない。登場人物の
中に犯人はいるのか?それぞれの人間の抱える事情の中に、犯行に結びつくものはあるのか?
先が気になり、ページをめくる手が止まらなかった。しだいに絞り込まれる容疑者だが、作者は
最後に意外な結末を用意していた。ほんのささいなできごとがやがて大きな渦となり、さまざまな
人たちを巻き込んでいった。最後に残ったのは、少年の傷ついた心だけか・・・。
やや冗長的な部分もあるが、しっかりとした構成と巧みなストーリー展開で、読み応えのある
作品に仕上がっていると思う。
探偵も推理小説も因果なものだ! ★★★★★
あまり書くと、これから読む方は面白くなくなるので簡単に。最終的には人間の悲しさ、葛藤が感じた。それを克服するために、結果的に犯罪となってしまった。探偵も読者も作者も私も、推理小説に係わる者は因果なものだなっと思ってしまった。いまだに余韻が残っている。やはりいい作品なのだろう。